子ども・被災者生活支援法に基づく具体案を 京田辺市議会で意見書可決
30日に行われた京田辺市議会本会議で、「子ども・被災者生活支援法に基づく具体的な施策の早期実現を求める意見書」が全会一致で可決されました。
この意見書は東京電力福島第一原発事故のために、福島県や関東各地から京田辺市へ自主避難してきた十数人の市民らでつくる「3・11ゆいネット京田辺」が、政府への提出を求めて京田辺市議会へ陳情されてきたものです。
意見書は、復興庁が8月30日公表した「基本方針案」について「被災当事者の意見反映や支援対象地域の指定基準の合理性、各被災者への具体的支援策の平等性などについて、問題点が指摘されている」と述べ、政府に対し、(1)「基本方針案」についての公聴会の開催や、住民・避難者へのヒアリング、被災当事者・支援者との協議などの措置を早急に行うこと(2)支援対象地域設定のための「一定の基準」について、合理的・科学的な基準を明らかにし、その基準に該当する地域をもれなく支援対象地域とすること(3)土壌の放射性物質の実測メッシュ調査や、子どもたちへの宿泊移動教室や長期休暇時のリフレッシュ保養の制度化など身体的および心的ストレスへのケアやサポート体制の整備、避難に伴う引越し費用補助や住宅提供期間の延長など避難を希望する被災者および避難を選択した被災者への生活再建のための具体的支援策、支援対象地域の全被災者への健康管理手帳の交付や定期的な健康診断・医療費負担の減免など、の実施とそのための財源確保、の3点を求めています。
意見書提出を求めてきた「3・11ゆいネット京田辺」は、京田辺市議会の全会派に数度にわたる要請行動に取り組むなど熱心に活動してきました。日本共産党議員団も政府への意見書のための協議を他会派へ呼びかけ、成立に尽くしてきました。
またこの日の本会議で日本共産党議員団は「70歳から74歳までの高齢者の医療費窓口負担1割の堅持を求める意見書」を提案しましたが、自民党系会派、公明党、民主党などの反対で否決されました。(青木綱次郎)