直言インタビュー

 臨時国会が開会し、安倍首相・自民党の暴走政治に国民・府民の怒りが日増しに高まっています。各界の人の直言インタビュー「もの申す」をスタートします。第1回はTPP(環太平洋連携協定)交渉について、京都府農業会議会長で元府副知事の草木慶治さんに聞きました。

自民はTPP公約を貫いて

草木慶治 TPPについて、私も新聞記事で報道されている以上のことは知りません。自民党は、コメや麦、牛・豚、乳製品など「重要5項目」を守りきると公約しました。また、守れないとなれば撤退するとも公約した。これを最後まで貫いてほしいですね。
 政府は「5項目」を守りながら参加国が求める自由化率95%以上を実現するため、1品目の内でも一部加工品の関税撤廃を認めるとしています。高度な交渉になるでしょうが、できれば地域のことも考えてほしい。
 例えば、京都には小さな牧場がいくつかありますが、彼ら酪農家は北海道にも勝てない。それが外国の大量生産品と勝負すれば、負けてしまうでしょう。政府には、こうした地産地消で売ろうとがんばっている地域の農家に配慮してほしい。
 そもそも日本の農業の問題は、消費者の協力なしには語れません。すでに食料品の6割を外国に頼っています。消費者がコメを食べなくなり、食文化が変わってきました。私が子どものころは年間2俵(1人当たり)を消費したそうですが、今は年1俵にも満たない。これではコメが売れません。
 そして担い手が圧倒的に不足しています。農作物を売って、生活できる農業になっていないからです。この根本問題を解決できなければ、日本の農業は続きません。TPP参加で、こうした農業支援がなされるのでしょうか。
 安倍首相は交渉の「年内妥結」を目指しています。開会した臨時国会でできる限り審議してTPPの内容を精査してほしい。
 自民党内を含めて、多くの国会議員は農家の声を届けてくれています。参院選で勝利した、日本共産党も全党で一致して反対してくれていますね。久しぶりに参院京都選挙区で議員を出した。倉林議員は一時、府議会にいたことを覚えています。反対派として頑張ってほしい。