フクシマの悲劇繰り返すな 佛教大学で京都アピール講演会
京都から原発ゼロのアピール運動を呼びかけている京都ゆかりの著名な学者・専門家9氏が主催する第5回講演会が5日、京都市北区の佛教大学で開かれ、学生ら約200人が参加しました。
教員・学生有志でつくる「佛教大学9条の会」との共催で、京都アピール講演会としては初めて会場となる大学(佛教大学)が後援しました。
福島県楢葉町にある宝鏡寺住職で現在避難生活を送る早川篤雄氏、元京都大学原子炉実験所教員の岩本智之氏、同アピール呼びかけ人の安斎育郎・立命館大学名誉教授の3氏が講演しました。
福島第2原発(楢葉町・富岡町)1号機の設置許可取り消しを求める「福島原発訴訟」(1975年提訴)の原告団事務局長を務めた早川氏は、「過酷事故は起こるべくして起きた。原発事故によって避難生活を送る1人ひとりがそれまでの人生をすべてご破産にされてしまった。福島の悲劇を決して繰り返してはいけない」と訴えました。
岩本氏は、福井県・若狭原発群で過酷事故が発生した場合の放射能汚染のシミュレーションを示し、「風向きによっては京都市内(左京区)まで及ぶ恐れがあるし、琵琶湖が汚染されれば近畿1400万人の生活に影響する。福島事故の原因究明もないもとで『安全』などとは言えず、大飯原発の運転再開は許されない」と指摘しました。
安斎氏は、原発をなくす運動について、「核兵器のない世界」に向けて地球規模での世論形成を成しつつある核兵器廃絶の運動に学ぶべきとして、▽放射能災害根絶▽原発廃止▽被災者援護・連帯―の3つの旗を掲げて取り組もうと呼びかけました。
参加した同大社会福祉学部3回生の女子学生(21)=大阪府高槻市=は、「学内で原発問題を詳しく知る機会があって良かった。事故の危険性を指摘して反対する住民の声を無視して、どんどん原発が建設されていった歴史にはショックを受けました」と話していました。