これからどうなる?介護保険 京田辺市で学習会
「よりよい介護保障を実現する京田辺の会」は18日、京田辺市内で「これからどうなる?介護保険」と題した学習会を開き、20人以上の市民が参加しました。
学習会では、京都民医連事務局次長の松田貴弘さんが講師をつとめ、豊富な資料を示して介護保険制度の現状と問題点、そして政府が進めようとしている介護保険制度改悪の方向などを講演しました。
松田さんは、介護保険制度の大きな問題点として、日本の社会保障制度で初めてサービス給付と負担増が連動する「現金給付」制度を導入し、株式会社など営利を目的とする団体が社会保障分野に参入することを認めたことを指摘。それ以降、社会保障全体に「自己責任論」の広がりなど悪影響を与えていると述べました。
さらに現在、政府が企んでいる介護保険制度の改悪は、自己責任をことさら強調し、社会保障を個人の努力の問題にしようとするなど、憲法25条に示された国の責任を根本から変えようとしていると批判し、「要支援」外しの背景や政府の狙いなどを具体的に明らかにしました。
そして「誰もが安心して、お金の心配なく受けられる介護こそ、憲法の理念にそった姿、そのための運動を地域から起こしていってほしい」と訴えました。
参加者が「介護保険制度は難しいし、問題も多いが頭に入りきらない。なぜこんなことになったのか。また訪問ヘルパーは報酬を低く抑えられているが足りているのか」と質問。松田さんは「ヘルパーの生活も成り立たなくなり、事業所も経営が立ち行かない事態でヘルパーのなり手がいなくなっている。ヘルパーを専門職と位置付けてやっていく、そういうまちづくりをしていかないと介護制度はよくなっていかないのではないか」と答えました。(青木綱次郎)