伏見メーデー前夜祭 伏見地区労と伏見ふれいあユニオン共催による「2014伏見メーデー前夜祭」が4月28日、京都市伏見総合庁舎ホールで開催され、各加盟単産代表などが参加しました。今年は労働法制の学習でメインテーマは「生涯ハケンNO!」。
 伏見地区労の板東利博議長が開会挨拶で、連合のメーデーで安倍首相が経済成長ばかり言い、派遣労働者や非正規労働者をさらに増やし、残業代も出さないという大改悪には一言も触れなかったことを批判。「先の府知事選では私たちは『日本で一番働きやすい京都府に』と掲げて闘いました。安倍政権の企みを許さず、全国の働く仲間とともに闘うために今日の学習で深めて闘いを強めましょう」と呼びかけました。
 市民共同法律事務所の塩見卓也弁護士が「安倍『雇用改革』で私たちの働き方がどう変わっていくのか」と題して、正規労働者の大半を派遣労働者に置き換える「労働者派遣法」改悪問題を中心に講演。塩見氏は第2次安倍政権の労働法制改悪政策を打ち出している背景について、「第1に、2012年の非正規雇用改革への政権交代による揺り戻しであり、第2に、「アベノミクス」と成長戦略(金融緩和、財政出動の次に民間投資を刺激する成長戦略)を重視し、その阻害要因を除去する立場から労働法制の大改悪を狙っていると指摘。労働界代表(連合)も構成員である労働政策審議会を無視し財界や派遣業界などが主導する私的諮問会議を通じた強引な方法、さらに、無定量労働時間や自由解雇の突破口の「残業特区や解雇特区」を設定する動き、日雇派遣や建設業派遣の禁止緩和、登録型派遣の職種制限緩和、ホワイトカラーエグゼンプション、労働条件明示の方法改悪等々、あらゆる方法で根底から労働者犠牲の政策が打ち出されていると強調しました。そして、「まだ時間はあります。全国の仲間と大きな運動にすれば、暴走する安倍労働法制改悪を阻止できるのです」と大同団結と闘いを呼びかけました。質疑応答で、塩見氏は「ヨーロッパでは、日本のように正規と非正規との差別待遇はなく、EUが均等待遇の「指令」を出して労働者の差別を禁じているのです。労働形態云々をいうなら、まずどのような形態であれ差別待遇でなく均等待遇にまずすべきではないか」と応えていました。
 加盟単組から全印総連の仲間が報告。週刊しんぶん京都民報に大きく取り上げられた印刷ネット通販「プリントパック」の実態と労組結成と現在の闘いについて話しました。もともとは製版業であった会社がいかにして印刷業界トップになったのか、低賃金、重労働、無定量労働時間、無権利など非人間的使い捨ての雇用で若者達は次々と去っていく実態、経験・熟練労働者がいないので機械保守も出来ず次々新しい機械を導入するなどの実態と労働組合結成と攻撃と闘いなどリアルに報告。前夜祭参加者から大きな連帯の拍手が起こりました。
 5月1日のメーデーには、伏見地区労と伏見ふれあいユニオンの隊列への参加が呼びかけられて閉会しました。(仲野良典)