20140718-01.jpg アサガオ(朝顔)、ヒルガオ(昼顔)、ユウガオ(夕顔)、そしてヨルガオ(夜顔)と丸一日の区切りの名前をもつおなじみの夏の花たち。この内、科が全く違うのがユウガオ。ユウガオはウリ科でヒョウタン(瓢箪)の仲間、カンピョウ(干瓢)の原材料。他の3つはヒルガオ科。あのサツマイモもヒルガオ科で仲間です。写真(伏見区の民家庭先)は、ヨルガオです。ユウガオと混同されがちですが、こちらは夕方から開花し夜明けごろにはしぼんでいます。
 さて、アサガオの原産地は中国南部やマレー諸島で薄い青色の花でした。中国では下剤の薬用として栽培されていました。日本には中国から奈良時代に持ち込まれたようで、やはり薬用として栽培されました。「朝貌」の名前が万葉集にも詠まれています。観賞用としては江戸時代に多種多様に改良(ただし黄色の花だけはまだありません)がされるなど熱狂的な人気を博し、今も「アサガオ市」が開催されています。
 ユウガオは源氏物語にその名が登場していますが、奈良時代や平安時代は、キキョウ(桔梗)をアサガオとかユウガオと呼んでいたとも言われていたと言う説もあるので日本への伝来時期には諸説ありです。
 一方、熱帯アメリカや北フロリダ州が原産のヨルガオは明治初期(1870年頃)に渡来したといわれています。花は15センチほどで写真のように大きく真っ白な見事な花が咲きます。しかし、明るいうちは細長い捻れたつぼしか付けないのであまり知られていないようです。学名Calonyctipn aculeatumといいcalosは美しい、nyctは夜というギリシャ語から命名。英名はmoonflowerで中国名も「月光花」といいます。シロバナユウガオ(白花夕顔)、ヤカイソウ(夜開草)との和名でも呼ばれています。10センチ~20センチのハート形の大きな葉っぱは互生して先端が尖っています。また、その夜に咲くつぼみは朝から付いていて長い花の先にバニラ色のソフトクリームを細くしたような捻れたつぼみで芳香を漂わせています。(仲野良典)
 
案内=京都府立植物園では毎年アサガオ展が開催されています。随分かわった変化アサガオなるものも展示されます。今年は8月1日から5日まで。早朝7時から午後4時まで。朝顔ですから早朝から10時頃までがいいですね(有料/70歳以上は身分証明持参で無料。障害者の方は無料)