亀岡スタジアム問題重い負担、水害拡大
台風18号豪雨で3百超世帯浸水
同スタジアムは、JR亀岡駅北側の約12.8ヘクタールに、サッカーなど球技専用スタジアムとして建設を予定しています。
問題点のひとつは、水害問題。同地周辺は保津川の遊水地で、はん濫が何度も起こっています。13年9月の台風18号被害で、同市では300世帯以上が浸水。過去にも53年に1350戸、60年に1400戸、04年も152戸が浸水しています。
13年に床上浸水した、同市河原町の国府優さん(29)は、「私は臨月で2階で寝ている時に浸水し、子どもも泣いていました。畳や冷蔵庫、給湯器に室外機、棚などの家具は買い替えなければなりませんでした。水害問題は解決していません。建設はやめてほしい」と訴えます。
亀岡水害問題連絡会事務局の松本
共産党追及で負担内訳判明
もう1つの問題が50億円もの市負担。スタジアムの建設(約100億円)は府の事業ですが、日本共産党の追及で同市負担の内訳が明らかになり、用地購入費に13億8000万円、アクセス道路に18億円、環境に配慮した共生ゾーン整備に15億円(それぞれ、国から約3割~5割の補助)となっています。
前述の国府さんは、「私たち浸水被害にあった市民の税金を水害被害を拡大するような計画に使ってほしくありません。保育料や医療費の値下げなど、誰でも賛成できることに税金を使ってほしい」と強調します。
同建設予定地に生息する生物への影響も懸念されています。予定地は国の天然記念物「アユモドキ」の生息地。研究者らでつくる日本魚類学会はスタジアム建設の見直しを求め、市や府に要望書を何度も提出。建設の中止・見直しを強く要望しています。
共産党4候補、建設中止すべき
日本共産党亀岡市議団は、議会で計画の内容や市負担の内訳を明らかにし問題点を浮き彫りにしてきました。同党は水害問題、50億円の負担、希少生物など環境への影響、水源地への影響などの問題点を指摘し、建設中止を訴えています。
同党が行った市民アンケートでも「なぜ水害の起こるところにスタジアムを建てるのか」「スタジアムは税金のムダ遣いだ」と建設反対の声が相次いでいます。
同党は税金の使い方を変え、治水対策や小中学校へのエアコン設置、子どもの医療費無料化拡充などを実施するよう求め、支持を広げています。(「週刊しんぶん京都民報」2015年1月11日付掲載)