災害で命を 落とさないために 防災士が手弁当で「防災寺子屋」
毎月1回以上工夫も重ねて
防災寺子屋・京都の太田
「千年の都・京都には地震は来ない」と思っている人に対しては、文政京都地震(1830年)時の被害を描いた古文書を拡大コピーして見せたり、マグニチュードの説明では「M6が牛乳瓶ならM8はドラム缶」と模型も作って可視化。小学生には紙芝居、高齢者や大学生らにも分かりやすいよう「帰宅難民10カ条」を作るなど、工夫を欠かしません。
正しい知識で救える命ある
きっかけは阪神・淡路大震災です。結婚後に移り住んだ西宮で被災。倒壊家屋の前で泣き叫ぶ女の子や高校生の亡きがらは今でも脳裏に焼き付いています。実家の京都に戻り、災害に備える勉強がしたいと01年、NPO法人日本防災士会の防災士(民間資格)を取得しました。
現在、府内には24人の防災士がいます。20人で支部結成ができることから、太田さんが呼びかけ、4月に設立総会を開く準備を進めています。太田さんは「災害が起きても防災への正しい知識や備えがあれば救える命がある。基本は住民の意識です。各小学校区の自主防災会のスキルをアップし、京都では『阪神』や『東日本』の悲劇を繰り返さない」と話しています。
問い合わせTEL075・841・0839/FAX075・841・3335(防災寺子屋・京都)。
NPO法人日本防災士会 防災士の資格を有する有志で構成。会員数は約6千人。地域の防災活動や防災活動計画の策定・実施に関し、指導的役割を果たすことを目指している。