丹後に連帯・米軍基地NO(2)イタリア・シチリア島 米軍レーダーMUOS撤去運動
シチリア島のニシェーミ町(2万5000人)に建設された、米軍レーダー施設「MUOS」地上局の撤去運動に取り組んでいます。
MUOSレーダーとは、ハワイ(米)、オーストラリア、バージニア(米)、シチリア(伊)の4カ所の戦略拠点に置かれた米国の軍事通信システムです。
レーダーは、以前利用されていた米・伊軍の通信基地NRTF(海軍無線送信施設)内にあります。このNRTFの46基のアンテナから生じる低周波・高周波の電磁波によって、腫瘍性(がん)の疾患が次々と発症したとの調査結果が出ました。これは、住民らに新レーダー基地建設への警鐘を鳴らしました。
シチリア全島各地に「ノーMUOS委員会」が結成され、大小の集会、デモなど様々な形態の抵抗を組織しました。「蚊帳」と呼ばれるフェンスの近くに土地を購入し、「ノーMUOS要塞」と名づけて常設拠点としました。
こうした結果、シチリア島当局は、13年に建設認可を撤回せざるを得なくなりました。シチリア地方裁判所も住民運動の主張を認める判決を下しました。MUOSは危険であること、予定地は自然保護区であり、いかなる建設も禁止されているとして、基地建設は違法との判断を下したのです。
しかし、14年1月にMUOSは完成しました。これに対し、13年と14年に1000人以上の抗議集会を繰り返しました。今年、地方行政裁判所が再び違法で危険であると判断。反対運動は続いています。
丹後・宇川のレーダー基地を見学しました。産業がなく貧しい地域であることや、住民の思いを無視して強行していることなどイタリアと共通する部分が多くあります。
米国の不当な基地建設に、私たちも連帯したい。シチリアにも丹後にも米軍基地はいらないのです。
(写真=〈上〉イタリア・シチリア島で行われた、「NO MUOS」のデモ行進の様子、〈下〉報告するヴィチェンツォ・サンティーリアさん)