20160121-06

 門川大作京都市長の資金管理団体「未来京都の会」が前回市長選時の2012年に開いた政治資金パーティーで、府内大企業13社に総額600万円のパーティー券を購入してもらっていたことが分かりました。専門家は「実質的に『寄付』であり、違法な企業献金になる」と指摘しています。

 前回市長選告示直前の政治資金パーティー、府内大企業13社がパー券600万円購入
 専門家「違法な“企業献金”」「税金還流の疑いも」

 府選挙管理委員会届出の政治資金収支報告書によると、「未来京都の会」は、前回市長選告示直前の12年1月15日に政治資金パーティー「未来京都の会時局講演会」を開催。収入は1115万円で、1115人が参加したとされています。
 パーティー券の購入で記載のあった企業(20万円以下は記載義務なし)は、50万円分が任天堂、京セラ、オムロン、島津製作所、村田製作所、堀場製作所、日本新薬、ローム、日本電産、ワコールの10社。その他、トーセ(40万円)、イシダ、ワタベウェディング(30万円)の各社が購入しました。村田製作所(長岡京市)以外は、京都市内に本社を置く企業です。
 また、パー券購入企業のうち6社(任天堂、島津製作所、日本電産、日本新薬、ローム、堀場製作所の子会社・堀場エステック)が、京都市の大企業向け補助金制度「京都市企業立地促進制度補助金」を受給しています。ローム(04年に交付)以外は、門川市長の在任中に補助金を受けています(日本共産党京都市議団調べ)。
 同パーティーでは食事などは提供されず、「お茶代」5万1150円、「会場借上費」7万4435円など計13万7425円を開催事業費として計上。収益率は98・8%で、約1101万円が実収益として計上されています。
 総務省は、政治資金パーティーでパー券価格の「対価」を超える部分は「寄付」として扱うべきとの見解を示しており、収益率の高い同パーティーも事実上の寄付行為になります。(写真=4年前に行われた門川市長の政治資金パーティー「未来京都の会時局講演会」

■企業癒着で政治ゆがむ
 神戸学院大学法学部教授(憲法学)・上脇博之さんの話 政治家の資金管理団体などは、企業・団体献金が禁止されているので、代わりに政治資金パーティーを開催し、企業にパーティー券を購入してもらう形で〝献金〟を受け取っているのが実態です。
 しかし、市から補助金を受けている企業にパーティー券を購入してもらうと、税金が政治資金として還流することになるので、そのような企業にパーティー券を購入してもらうべきではありません。
 また、政治資金パーティーでは、パーティー券の購入者に講演や飲食提供など「対価」を与えるので、政治資金規正法は、寄付と異なる取り扱いをしていますが、収益率が高すぎる場合は実質的には「寄付」となるので、企業が資金管理団体のパーティー券を購入した場合、違法な企業献金になると考えるべきです。
 大企業にパーティー券を大量購入してもらえば、癒着の構造ができあがり、市長の政治姿勢は大企業向けに誘導されてしまい、市民置き去りの政治・行政になります。
                                      (「週刊しんぶん京都民報」1月24日付より)

20160121-07