下鴨神社マンション「世界遺産損なう」 住民団体が撤回求め申し入れ
世界遺産・下鴨神社(京都市左京区)境内のマンション計画をめぐり、京都市の建築確認(6日)を受けて建設業者が2月中旬までに本格着工する方針を示していることに対して、計画に反対する住民団体は29日、門川大作市長と新木直人下鴨神社宮司あてに計画撤回を求めて申し入れました。
「世界遺産・下鴨神社と糺(ただす)の森問題を考える市民の会」と「糺の森 未来の会」が行ったもの。
申し入れ文書では、「ユネスコ世界遺産情報センター所長が情報収集し、ユネスコの諮問機関・日本イコモス国内委員会が検討しているもと、強行着工は国際的批判を免れない」と指摘しています。その上で、建設予定地の駐車場(250台)廃止に伴い、世界遺産のコアゾーン内に大量の車が駐車されて、環境に悪影響を与えていることや、計画が式年遷宮の費用捻出ためとされているにもかかわらず、神社の財務など客観的な根拠が示されていないことを批判。景観・住環境の保全策も含めた説明会開催や神社の財務資料の公開などを求めています。
参加した住民ら約10人は、市風致保全課に対して「世界遺産区の価値を大きく損なう計画を市はなぜ認めるのか」「ストップすべきだ」と訴えました。