20160204-0120160204-02 

 京都市は、現在工事中の京都駅八条口(南口)=南区=の駅前広場整備事業(*)に伴い、タクシー待機場を縮小し、待機場が空くたびに第2待機場から移動させる「ショットガン方式」を導入しました。ところが、第2待機場は八条口から2.4キロ離れた、移動に約10~15分もかかる場所にあるため、タクシードライバーからは「四条通からタクシーを追い出して、今度は八条口でもか」「門川市長には代わってもらうしかない」との声が続出しています

■駅前広場整備事業で「ショットガン方式」 待機場所は2.4㌔先

 同事業の工事開始は昨年11月から。市は、新幹線八条口正面にあったタクシー乗降場を分離し、降り場は50メートル東へ、乗り場は150メートル西へ移動。待機場は乗り場の西隣に設置し、規模を縮小(従前66台分を工事中の暫定期間40台分、完成後は51台分)しました。
 併せて待機場の縮小による一帯のタクシーの「あふれ出し対策」として、ショットガン方式を採用。第2待機場を阪神高速8号京都線の鴨川西ランプ高架下駐車場(市有地、約50台分)に決めて、現在平日のみ運用を開始。4月から本格運用する方針です。

 同事業は計画当初から反対の声が上がっていました。7つの個人タクシー組合でつくる「京都個人タクシー団体連絡会」は、「タクシー乗降場が新幹線改札口から離れた所では利用者が不便となり、待機場縮小で営業悪化も招く」と計画の撤回を繰り返し要請。日本共産党は都市計画決定(13年4月)の際、関係者の合意が得られていないと反対しました。

 こうした声を無視して市は事業を推進。その後、閑散期の8月(14年)、2月(15年)のわずか2回の運用実験をもとに、昨年9月、鴨川西ランプ駐車場に決定しました。

 敷地いっぱいに車が並ぶ鴨川西ランプ待機場。ドライバーは口々に訴えます。「なぜ近い所に駐車場を確保できないのか」「四条通の二の舞になるのは必至」「観光客はいったい京都をどう思うのか。新幹線からタクシーに乗り換えるのも不自由。四条通は混雑で、車は動かない。これで国際都市ですか」。
 個人タクシー互助協同組合の岸光之理事長は「本田市長のもとで、計画の再検討を求めていきたい」と話します。
(写真上=八条口一帯。タクシー待機場は西側へ移動しています。写真下=八条口から2.4㌔離れた第2待機場)
 
 *八条通(油小路通~竹田街道間、850メートル)の車線減少(6車線を4車線)による歩道拡幅や、タクシー乗降場の移動で拠点広場デッキ(約700平方メートル)を新設。3月プレオープン。総事業費45億6000万円で、完成は12月。

■本田市長で計画再検討へ

 楽友個人タクシー協同組合副理事長の久松茂さんの話 我々タクシードライバーも市民であり、公共交通機関を担っているのに、市は排除することしか考えていません。四条通しかり、八条口もそうです。
 確かに八条口に客待ちのタクシーがあふれており、改善は必要です。行政は、市民や関係者の声を十分に聞き、市内全体の総合的交通体系を確立することが役目のはずです。
 タクシーを排除すれば良しでは、おそまつです。トップダウンで、関係者の声を聞こうともしない門川市長では、京都の交通問題は解決しない。本田久美子さんとともに計画を再検討し、真に市民のための交通政策をつくっていきたい。

(「週刊しんぶん京都民報」2月7日付より)