20160205-0620160205-07  京都市長選挙(7日投票)で、市バス・地下鉄の料金を無料にする敬老乗車証(70歳以上)の改悪方針に市民の怒りが高まるもと、この問題を指摘した日本共産党に対して、現職陣営が門川候補を先頭に「事実無根」「デタラメ」などと述べ、言い訳に躍起となっています。改悪中止の運動に取り組んできた市民からは「市と何度も交渉したが、改悪方針を否定してこなかった。『デタラメ』というのならなぜ『改悪はしない』と公約しないのか」と批判の声が上がっています。

■市議会追及、署名提出時も「1回100円」否定せず

 敬老乗車証の改悪方針は、市が2013年10月に策定した「敬老乗車証制度の今後の在り方に関する基本方針」で決めたもの。所得に応じて負担金を徴収する現行の応能負担から、「利用頻度に応じた選択的負担(応益負担)の仕組みへの転換を図る」と明記し、参考例として「1乗車当たり100円」を示しました。

 方針の具体化・実施は現在、この間の粘り強い市民運動で阻止していますが、日本共産党は市議会で繰り返し中止を求めてきました。昨年12月定例会代表質問でも「1回100円程度の負担」は「許せない」と追及したことに対して、門川市長は答弁に立たず、答えた理事者もこの指摘を否定しませんでした。

 こうした事実を基に、日本共産党京都府委員会は「こんな市政が続けば大変」として、「敬老乗車証の改悪に執念」「今年9月以降は『規定方針どおり』と、乗るたびに100円程度払う制度への改悪」と1月9日発行のビラで記述しました。

 ところが、選挙戦に入ると門川候補はこのビラを指して、「根拠のないデタラメや誹謗中傷によって批判することは、公正な選挙とはいえません」と自身のフェイスブックで主張。個人演説会で弁士に立った市幹部らが「事実無根」(3日、藤田副市長)、「乗るたびに100円取ると書いてあるがデマだ」(4日、塚本副市長)などと言い出しています。

 一連の発言に対して、改悪中止の署名運動に取り組み、今年1月7日にも門川市長あてに第7次署名(2120人分、累計2万4312人分)を提出した「敬老乗車証を守ろう!連絡会」は怒りの声を上げます。同連絡会会長の長田豊さんは、「署名提出のたびに、『乗車ごとの100円負担は耐えられない』と言ってきた。先月の署名提出の時にも言ったが市は否定しなかった」と話します。

■運動と論戦に押され、来年9月までの現行制度維持を突如表明/改悪方針は撤回せず

 こうしたなか、京都市は3日、市のホームページで敬老乗車証制度について「9月からの見直しは予定していない」と突如表明。市民の運動と論戦に押される形で、今年9月更新時(来年9月まで)での現行制度維持を初めて明らかにました。しかし、13年10月に策定した改悪方針そのものは撤回されていません。

 「憲法市政みらいネット」の本田久美子候補は、「次は、敬老乗車証の改悪方針そのものを撤回しなければいけません。私にその仕事をさせてください」と訴えています。