20160422-06  相楽郡南山城村の茶畑に隣接する土地が不法に堀削されて高さ30㍍ほどのがけができ、茶農家や住民が対策を求めています。掘削された土地は奈良県内で、県はこのほど業者を刑事告発。日本共産党府議団は12日、現地調査を実施しました。

■まるで“グランドキャニオン”
 茶畑があるのは南山城村田山地区で、掘削された場所は奈良市月ヶ瀬長引。茶畑の東側ががけのように直角に削られ、メディアでも「グランドキャニオンのよう」と報道されています。

 三重県伊賀市の土砂採取業者「三進商事」が6年前から掘削を行い、県から許可された量を大幅に超える土砂を掘削したといわれています。奈良県は3月、周辺で大規模な土砂崩れが起こる恐れがあるとして、砂防条例や森林法に違反した疑いで業者を刑事告訴しています。

 府は、現地の調査や茶農家から聞き取りなどを行い、奈良県に対して、土地を復旧させることや茶農家の転落防止対策を業者に取らせることを求め、申し入れています。

 調査には、日本共産党府議団の前窪義由紀、西脇郁子、森下由美の各府議、同党の齋藤和憲・南山城村議、谷口清久・山城地区委員長、小川正一・奈良市議が参加しました。

 前窪府議は19日の環境・建設交通常任委員会でこの問題を取り上げ、掘削の規制と復旧を急ぐよう要求。また調査時に業者のダンプカーが出入りしていたことを取り上げ、産業廃棄物を持ち込ませないなど、復旧作業を厳しくチェックすることを求めました。

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(写真上=茶畑〔右〕の隣地にできたがけの様子を調査する、日本共産党の府・市・村議ら。左側は高さ30㍍もの断崖になっています。写真下=掘削現場に入っていく業者のトラック。上の方に茶畑が広がっています