切断・移設工事を中止し、再検討へ 京都市美術館の寄贈モニュメント、市側が表明
京都市美術館(左京区)の敷地内に展示されている彫刻家・富樫実氏の寄贈モニュメント「空(くう)にかける階段’88-Ⅱ」を分割・切断して移設する工事をめぐり、市は24日、工事をいったん中止し、再検討することを明らかにしました。市民や芸術家らは、工事中止と作品の保存を求めて繰り返し市への要請を重ね、日本共産党市議団も工事に抗議する声明を発表してきました。再検討は市民運動が実ったものです。
工事の再検討は、24日の市議会文化環境委員会で市側が表明したもの。委員会では、工事中止を求める、京都彫刻家協会の陳情書(9日提出)の審議が行われ、共産党だけでなく自民、公明の委員からも「安易に切断するのではなく、作品を残す方法もある」「慎重に扱うべき」などの発言が相次ぎました。市理事者は、「もう少し立ち止まって考えていきたい」などと答弁しました。
この日は、分割・切断工事の中止を求める市民らが委員会室前に立ち、「京都市美術館が自ら収蔵作品を壊すな」「彫刻破壊は京都の恥」などと書いた横断幕やプラカードを掲げて、委員の市議らにアピールしました。