松原通のにぎわい再び 地元住民が歴史ある通りの魅力を発信 16日には迎え提灯も
「子ども連れで街を歩いてもらい、にぎわいをとり戻したい」――。京都市の幹線道路・五条通の2本北を東西に走る松原通。下京区の住民が、この通りの魅力を発信しようと地域愛あふれる催しを重ねています。8日には、親子で楽しめる出店「松原通(みち)の駅」を開催。16日には祇園祭宵山に合わせて「松原お迎え提灯灯し」を行います。
■かつては山鉾巡行ルート
取り組みをしているのは、2011年に発足した「松原通界隈活性化活動プロジェクト委員会」です。松原通はかつての五条大路で、歴史ある寺社や伝統工芸品を扱う店が並び、1955年までは祇園祭の山鉾巡行ルートでした。
「会」の座長の山田正太郎さん(66)は「子どものころには、月に3回はお寺の辺りに夜店が出て、活気があったんですよ」と言います。「街のことをもっと知ってほしい」――。「会」には沿道の7学区から13人が参加し、「まちあるきツアー」や歴史を学ぶ講演会を開いてきました。
この日、烏丸通から西へ入ったガレージで開いた「松原通の駅」は、今年で3回目です。楽しみにしていた子どもたちが、開会の午後3時を待ちかねて集まってきました。射的、輪投げ、かき氷をはじめ生ビールのコーナーもそろい、大勢の親子連れでにぎわいました。
16日には、因幡薬師(烏丸通松原上る)の参道で日和神楽を迎えるための「提灯灯し」をします。
日和神楽は、宵山の日に各山鉾が四条通の御旅所へ参拝し、好天祈願の奉納をする神事です。「会」では、松原通を通ってもらうよう、近隣の山鉾町に依頼。船鉾、岩戸山に加え、綾傘鉾が2013年から、因幡薬師で棒振り囃子を奉納しています。地元の洛央小学校の子どもたちが作成したちょうちん約100張が並び、日和神楽に先立ち寄席、狂言、コンサートも催されます。
山田さんは「歴史を身近に感じ、楽しめる街にしていきたい」と話しています。
松原お迎え提灯灯しは午後6時~午後11時。催し詳細はフェイスブック「松原通界隈活性化活動プロジェクト委員会」参照。
(写真上=親子連れでにぎわった松原通の駅。中央が座長の山田さん、写真下=因幡薬師の参道で行っている「松原お迎え提灯灯し」〔昨年の模様〕)
(「週刊京都民報」7月16日付より)