■京都大学大学院教授/構図は鮮明、共闘で倒す

 「希望の党」への合流を拒んだ民進党メンバーが「立憲民主党」を結成し、共闘の流れが強まってきました。安保法制、改憲に賛成する勢力が明確となり、たたかいやすい形になったと思います。安倍政権を倒すには、市民と野党の共闘しかないことがはっきりしてきました。諦めないで選挙に行く人をどれだけ増やすかが重要です。

 私は刑法学者として15年6月、「安全保障関連法に反対する学者の会」の呼びかけ人に名前を連ね、各地の講演会や街頭、集会、デモなどで訴えています。安倍政権は集団的自衛権の行使を容認し、秘密保護法、共謀罪法を強行し、憲法9条の空文化を狙う「自衛隊明記」まで掲げています。戦争への動きが強まる中で、政府による大学への軍事研究推進の圧力に対し、黙っていてはいけないと感じていました。

 海外の友人からのエール、出会った人から激励されることも増えました。憲法破壊の安倍政治が長く続く中で、政権批判をしても「偏っている」と言われることはなくなり、仲間が増えたことがうれしいです。

 この2年間、政治的立場の違いを乗り越えた共闘が全国で進みました。市民と野党の共闘は、参院選で11選挙区での勝利、新潟県知事選や仙台市長選で勝利しました。堺市長選のように、考え方が違っても手をつなぐ。これは敵に漁夫の利を与えないために大事な手段です。これまで共闘のために足を運んで訴えた市民、議員たちはそのまま活動を続けて欲しい。

 共産党は国民連合政府構想を打ち出して以来、共闘の核になっています。ブレない主張に信頼感と説得性があり、どこに行っても頑張っている姿に激励されています。躍進を期待しています。