南山城村のメガソーラー開発予定地の近くで11日、京都府が条例で「指定希少野生生物」(25種)に定めるカスミサンショウウオ(絶滅寸前種)が発見されました。同村の自然保護団体「NPO法人花鳥の郷(さと)をつくる会」の会員が見つけたもの。専門家は「貴重な発見」として周辺の環境保護の必要性を強調しています。

 発見されたのはカスミサンショウウオのメスの成体。日本爬虫(はちゅう)両棲類学会会員の中川宗孝さんが専門家に写真を送り、確認しました。

 カスミサンショウウオは両生類で、脇腹に見られる溝状の筋が13本のことが多く、通常の歯とは別に上あごの中にある歯の並び方がV字型なのが特徴。かつては広く確認されていましたが、限定された環境を生息場所とし、環境変化にも弱いため、減少傾向にあります。

 近隣では近年、京田辺市、木津川市などで確認され、南山城村でも2014年、15年に卵塊と幼生が確認されましたが、成体は確認されませんでした。

■個体少なく非常に貴重

 は虫類、両生類、魚類に関する多くの書籍の写真撮影・執筆を手がける川添宣広さんの話 日本を代表し、豊かな自然環境を象徴する動物。きれいな水、豊富な餌となる昆虫をひっくるめた環境全体を守って欲しい。

 両生類に詳しいカメラマンの関慎太郎さんの話 春先に産卵のために湧水地などに集まることは知られているが、個体数が少なく専門家でも発見は難しい。ましてや、その他の時期にどこで過ごしているのか、行動範囲もよくわかっておらず、発見は非常に困難。今回の発見は非常に貴重。