印刷通販会社の「プリントパック」(本社・向日市)で、常務が同本社工場の労働組合員に対し、詰問調で組合脱退を迫った(11月10日)問題で、全印総連京都地連個人加盟支部は12月22日、常務の行為は組合に対する会社の支配介入(労組法7条3号)にあたるとして、京都府労働委員会に不当労働行為救済の申し立てを行いました。

 提出後、当事者の村中駿介さん(27)、申立人の全印総連京都地連個人加盟支部・井上俊幸支部長、同「プリントパック」分会・中山悠平分会長と、同分会の一連の争議を支援してきた塩見卓也、諸富健の両弁護士が、京都府庁内で会見し、明らかにしました。

 同社は、過去にも中山分会長らに対する賃金・賞与差別などの不当労働行為を行い、中央労働委員会で和解が成立(2月)。「今後相互の立ち場を尊重して、将来にわたって良好な労使関係の構築に努める」ことを確認、労使関係を改善する途上にありました。

 今回の問題は、新しく組合に加盟した村中さんに対し常務が、「われわれは組合とは相いれてへん」、「団体交渉もするだろうから自分も出てくるだろう。その時わしは容赦せんよ」、「組合に入るなとは言わへんけど会社とは争うことになるぞ」などと脅し口調で詰問したものです。

 村中さんは、友人の葬儀に参列したいと会社に有給休暇を申請したが、受理されなかったことから疑問を抱き、労働組合に加入。「有給が取れず、その時はあきらめたが、参列できなかったことは心残り」、密室での詰問には「くぎを刺しにきたと思った。〝容赦しない〟という言葉が印象に残った」と話しました。

 塩見弁護士は、どう喝の内容から、労働組合への会社の認識は和解後も全く変わっていないと指摘し、「(会社が)労働組合というものがどういうものなのかを理解するまでたたかい続けるしかない」との考えを示しました。

(写真=会見する〔右から〕塩見、村中、中山、諸富の各氏)