市政策が京都の魅力損ねている 共産党「民泊」つどいに140人、規制のあり方・まちづくり議論
「民泊新法」が6月に施行されるのを前に、日本共産党京都府委員会、同党府議団・京都市議団は1月27日、京都のまちづくりや「民泊」規制のあり方を討論する「つどい」を京都市内で開催しました。「つどい」は昨年6月に続く2回目で、140人が参加しました。
倉林明子参院議員が開会あいさつ。穀田恵二衆院議員(国会対策委員長)、蔵田共子市議、西脇郁子府議、中林浩・神戸松蔭女子学院大学教授が報告しました。
穀田氏は、「観光の目的は平和に寄与し、国民生活や地域社会が豊かになること。法律にも位置付けられ、政治と深く関わっている」と指摘。「訪れて良し住んで良し。観光は、安全安心が絶対的条件」と強調し、「民泊新法」はその理念に反し、「宿泊者、住民を守る規制の撤廃で、違法・無法を合法化するもの」と厳しく批判しました。
蔵田氏は、新法施行に合せて市が2月議会に提案予定の条例案について言及。市民が求める規制からすると「極めて不十分」と批判。
住民が安心して住み続けられる条例となるよう全力を尽くすと述べました。
西脇氏は、「民泊」・ホテルラッシュの背景に、府市協調で国に提案した規制緩和のための「成長戦略」があると告発しました。
中林氏は、「市の観光政策そのものが、都市の魅力を減退させている。景観を守るとともに、民泊問題、マイカー観光を減らすなど総合的政策をつくり、市民的討論が必要だ」と訴えました。
司会を迫祐仁府議、山根智史市議が務めました。
■多彩な参加者が発言/“京のまちが商品に”“官邸主導の新法追及を”“人命守るルール必要”
参加者は、ホテル業者、住環境を悪化させる「民泊」計画に反対する住民や弁護士、個人タクシー業者、旅行業者など多種多彩。14人が問題提起やフロアから発言するなど、活発な討論が行われ、党への期待の声も上がりました。
金沢孝晃・日本中小ホテル旅館協同組合理事長は、「政府はホテル・旅館が足りないというが、それは都心部だけ。民泊という名前で、管理者のいない宿泊施設ができていいのか。新法に反対してくれたのは共産党だけだ。これからも頑張ってほしい」と激励しました。
東山区清水学区の住民は「市は観光客を寄せるばっかり。市民が守ってきた京都のまちが、商品化されてしまっている。こんなまちでいいのか」と訴え。
谷垣千秋・京滋マンション管理対策協議会代表幹事は、「新法についての説明が大臣で違い、その度に管理組合は右往左往させられてきた。結局、新法は官邸の強引なやり方によるもので、国会で頑張って追及してほしい」と発言しました。
伏見区稲荷学区の住民は「消防車が入らないようなところに、民泊が開業しようとしている。こんなことが許されていいのか。経済より人命を守るルールを」と訴え。
京都・まちづくり市民会議事務局代表の中島晃弁護士は、「つどいの開催に感謝」を述べた上で、「討論を通して、新法の問題が浮き彫りになった。さしあたっては、条例で歯止めをかけることが必要だ」と訴えました。
討論のまとめで、穀田氏は「京都にはまちづくり運動の蓄積があり、住民自治の力がある。まちを守るための闘いを大いに進めていこう」と呼びかけました。