鬼気迫る灼然の舞 京都出身・SIROCOさん、京都で記念公演 200人を魅了
昨年、フラメンコの聖地、スペイン・アンダルシア州のロンダで行われたフラメンコ国際コンクール「第23回アニージャ・ラ・ヒターナ・デ・ロンダ」のバイレ(踊り)部門で日本人男性初の優勝を果たしたSIROCO(本名=黒田紘登〈ひろと〉)さん(36)=京都市中京区出身=が5月20日、コンクール当日の共演者を招聘した優勝記念公演を、府立陶板名画の庭(左京区)で開催しました。
共演者はいずれもフラメンコ界で数々の伝説を生み出したモイ・デ・モロン(カンテ=歌手)、ファン・カンタローテ(同)、エル・ペルラ(トケ=ギター)。
数年前には「コピーのような踊りでは俺の心に届かない」と酷評していたカンタローテがコンクールで予選を通過した際、声をかけてくれました。「踊りが変わったな。闘牛士のようにフラメンコに命を捧げてこい」
SIROCOさんは闘牛場に足を運び、その印象で決勝の舞台を構成し、参加者を総立ちさせました。
優勝記念公演は大阪、東京、名古屋、京都で行われ、故郷の京都が千秋楽。ミケランジェロの傑作「最後の晩餐」を等身大に模した壁面に赤や青の照明をあてた幻想的な空間で、闘牛士がのりうつったような激しく、鬼気迫るパフォーマンスを披露。会場を埋め尽くした約200人の観客を魅了しました。
SIROCOさんは「ぼくの舞台を見てくれた人々、演奏などをサポートしてくれる人々との出会いと支援でここまでこられた」と語ります。
SIROCOさんは来月開かれる、今年のロンダのコンクールで前回優勝者としてパフォーマンスを予定。9月20日にはセビージャの美術展関連企画にパフォーマーとして招待されています。
(写真=燃えているような赤い照明を浴びながら激しい踊りを披露するSIROCOさん〈中央〉とギターのエル・ペルラ)
(「週刊京都民報」5月27日付より)