「子どもの貧困生む社会構造が拡大している」 京都保育のつどいで浅井・立教大名誉教授が講演
第50回京都保育のつどい(同実行委員会主催)が1日、京都市東山区の京都華頂大学で開かれ、府内の保育園・保育所の保育士、園長、保護者ら543人が参加しました。記念講演と保育やベビーマッサージ、造形活動など多彩な分科会が開かれました。
浅井春夫・立教大学名誉教授が「平和と共生の中ではぐくむ子どもの未来を」と題して講演し、子どもの貧困問題、保育や子どもの発達をめぐる課題、平和問題などについて語りました。
浅井氏は、今年度から小学校で教科化された道徳について、「結果として、先回りして相手に忖度する子どもをつくろうとしている」とし、森友・加計学園疑惑、公文書改ざんなどが問題となっている安倍政権が、こうした教育を進めていることを厳しく批判。本来必要な保教育・保育のあり方について、「子どもの課題から出発することが重要」と強調しました。
子どもの貧困問題について、生活必需品や教育費の不足などの「経済的貧困」を出発点として、暴力やあきらめの文化を生む「貧困の文化」を経て、自己肯定感の低下や行動の暴力的傾向に至る「発達の貧困」への流れを詳しく説明し、「子どもの貧困を生み出す社会構造が拡大している」と述べました。
平和問題について語り、戦争を繰り返させない取り組みなど社会運動に取り組む重要性を強調し、「怒りと勇気をもち、多いに学んでほしい」と呼びかけました。
多彩な講座・分科会が行われ、参加者が交流・学習しました。