侵略の歴史伝えず、美談仕立てに 来年度導入、中学「道徳教科書」の問題点を告発 京都教科書問題連絡が街頭宣伝
小学校に続いて来年度、中学校でも教科化される「道徳」の、初めての教科書選定が8月末までに行われるのを前に、京都教科書問題連絡会は6月26日、京都市役所前で宣伝し、教科化そのものと道徳教科書の問題点について、市民にアピールしました。
選定にあたり、8社の教科書が文科省の検定に合格していますが、宣伝では、道徳専門の教科書会社として今回から初参入した「日本教科書」の教科書が、日本の植民地支配下にあった戦時中の台湾について、侵略の事実には触れず日本人の行動を美談に仕立てていることや、多くの教科書で愛国心や心のあり方を自己評価する内容になっていることに警鐘を鳴らしました。
また、そもそも道徳の教科化については、子どもの心や価値観を評価することになり、国が定めた価値感を押し付ける傾向が強まると多くの専門家が指摘していることを紹介。「安倍政権は、道徳の教科化に力を入れるが、(森友・加計学園問題で)国民にうそをつく、ごまかす姿勢は、一番、道徳に反するのではないでしょうか」と批判しました。