「俳優座9条の会」の呼びかけ人になるなど反戦・護憲を訴え続け、今年6月に亡くなった俳優・加藤剛さん(享年80)の追悼上映会が9月15、16の両日、京都市内で取り組まれます。

 加藤さんは軍医だった義兄を南方戦線で亡くし、終戦直後に姉を結核で亡くしました。

 1962年、侵略戦争の告発とその中での人間の良心を描いた「人間の条件」で主役に抜てきされて以降、同作を俳優としての原点ととらえ、平和のために自分は何が出来るか考え続けてきました。

 第2次世界大戦中、ポーランドでユダヤ人の孤児院を立ち上げ、子どもたちとガス室で殺害された小児科医を描いた「コルチャック先生」の舞台をライフワークとしてきました。

 追悼上映会では、『日本の青空』と『郡上一揆』を取り上げます。

 『日本の青空』は、日本国憲法誕生のドラマをあつかったもので、加藤さんはGHQ草案のモデルになった憲法草案要綱を提出した「憲法研究会」のメンバー・高野岩三郎役を演じました。

 『郡上一揆』は江戸三大一揆の一つ郡上一揆を背景に、農民たちの勇気を壮大なスケールで描いています。加藤さんは、一揆を最後までたたかい抜く若者の父・助左衛門役を熱演しています。

 『日本の青空』=15日(土)、河二ホール。『郡上一揆』=16日(日)、ハートピア京都。いずれも、午前10時半、午後1時半の2回上映。当日1300円、前売り券1000円。問い合わせ☎075・256・1707(京都映画センター)。

(写真=『郡上一揆』の一場面。中央が故・加藤剛さん。©映画『郡上一揆』製作委員会)