アニメ研究の第一人者・渡辺泰氏の業績を展覧 中京区・おもちゃ映画ミュージアムで開催中/70年に及ぶ活動を紹介
日本のアニメーション研究を牽引してきた渡辺泰氏(84)が、日本を代表する国際アニメーション映画祭「東京アニメアワードフェスティバル2018」(3月開催)で、功労賞を受賞したことを記念し、京都市中京区のおもちゃ映画ミュージアムは10月14日まで、渡辺氏の約70年におよぶ研究やコレクションなどを紹介する展示を開催しています。
■「東京アニメアワードフェス2018」で功労賞受賞を記念
高校2年生のときにディズニー映画『白雪姫』に感動した渡辺氏は、アニメーション研究を始めます。毎日新聞大阪本社で働きながら研究や評論を発表。1977年には日本のアニメーションで初となる通史『日本アニメーション映画史』(共著、有文社)を出版しました。
新聞、書籍、学会誌、同人誌、図録などへの執筆、おもちゃ映画ミュージアムや美術展やテレビ番組などの企画協力・資料提供、映画コンクールの選定、京都造形芸術短期大学(当時)などでの講演と多彩な活動を展開しました。
展示では、戦時中、ディズニーに対抗して海軍省報道部が企画した『桃太郎の海鷲』などの広告や、和田誠もイラストを描き、手塚治虫も愛読者だったディズニーファンの会誌、誕生日ブレゼントを贈ったことへのウォルト・ディズニーの返書、手塚治虫の原稿などを出品しています。
午前10時半~午後5時。月・火曜休館。一般・高校生500円、中学生300円、小学生以下無料。同ミュージアム☎075・803・0033。
【関連企画】「渡辺泰アニメーション研究活動68年を語る」(講師=渡辺泰氏) 9月30日(日)午後2時、トーク。3時半、アニメーション上映(その後茶話会=有料、あり)。1000円(入館料を含む)。要予約・定員30人。
(写真=渡辺泰氏のイラスト〔画・太田米男〕)
(「週刊京都民報」9月16日付より)