全小選挙区での改憲推進本部設置や自衛隊への若者名簿“召し上げ”、米国製兵器爆買い・日米軍事一体化など、安倍政権・自民党は9条改憲、軍事大国化への道を暴走しています。こうしたもとで、今通常国会での改憲発議を許さず、3000万署名をはじめとした世論・運動の力で改憲策動を断念させようと、「九条の会」事務局の渡辺治・一橋大学名誉教授を招いた学習会(憲法9条京都の会主催)が3月2日、京都市内で開かれ、市民ら310人が参加。渡辺氏は、「正念場の年。3000万署名を達成し、参院選勝利で安倍改憲を止め、憲法の生きる日本をつくろう」と呼びかけました。

 渡辺氏は冒頭、「安倍改憲はもうない」とするマスメディアの基調を否定し、安倍首相の年頭会見や自民党運動方針、改憲推進本部設置などをあげ、「通常国会で発議できなくても、参院選で引き続き『3分の2』を確保し、2020年改憲へという工程を諦めていない。安倍改憲を阻む正念場の年」と強調しました。
 改憲をめぐる近年の攻防を概観し、9条1項・2項を存置して「自衛隊」を明記する安倍改憲が、市民と野党の共闘の前進によって野党第1党を巻き込む戦略が頓挫するもとで示された「切り札」と指摘。安倍改憲を阻むために、改めて「3000万署名」の達成を提起し、「安倍政権の持つ一番の危険性を訴えることで、統一地方選、参院選での立憲野党前進の基盤ができる。一昨年10月の参院選では1650万人が立憲野党に投票したが、3000万署名をやり切れば、これは倍になる。署名で改憲に反対する世論を喚起し、通常国会での発議阻止、参院選での立憲野党の勝利を目指そう」と訴えました。

 同会事務局長の奥野恒久・龍谷大学教授が、自衛隊への個人情報提供問題など「安倍9条改憲」の狙いと危険性を具体的に語り広げるとともに、各地の9条の会での宣伝や学習活動の強化、「3000万署名」の京都目標60万人分の達成、5・3憲法集会(メーン講師=小森陽一さん)の成功などを提起しました。同会代表世話人の木戸衛一・大阪大学大学院教員が開会あいさつしました。