開発予定地近くにある簡易水道の非常用取水口

住民“一切使用せず”明記を

 米外資系会社「FS Japan Project6合同会社」(FS6社)が南山城村でメガソーラー建設を計画している問題で、FS6社と村との間で締結した「協定書」の中で、除草剤や農薬使用について、“使用可能”との解釈の余地を残すあいまいな内容であることがこのほど明らかになりました。開発地近くに村の簡易水道の非常用取水口があることから、「なぜ一切使用しないと明記しないのか」と不安の声があがっています。

 協定書は「太陽光発電施設設置に伴う開発協定書」。FS6社と村との間で今年1月31日に締結していました。

 除草剤や農薬使用に関わる条文は第7条。「施設管理(除草)に当たり、環境保全と排水先の利水目的に支障をきたす恐れのある除草剤や農薬等は使用しない」とし、逆に「支障をきたす恐れ」のない除草剤や農薬ならば使用可能との解釈が成り立つ文面です。

 FS6社は住民説明会で再三、「除草剤を使う予定はないというのが、われわれの確固たる方針」(2018年4月15日)と明確にのべ、住民の意見書(=質問書)に対する見解書でも同趣旨の回答をしてきましたが、協定書ではトーンダウンした内容に変化しています。

 村議会3月定例会一般質問でも、日本共産党の齋藤和憲議員がこの問題を追及。「職員と業者との間ではいっさい使用しないとの内容」との村の答弁に、「それならばなぜあいまいな文言を入れたのか」「業者が使用したと申し出たら断れない条文」と批判しました。

 現在、村の簡易水道の水は、山城谷川から取っていますが、非常時には、開発予定地の中を流れる殿田川の水を使用することになっています。

 南山城村の自然を守る会の橋本洋一代表は「ファースト・ソーラーは説明会や見解書で一貫して農薬は使用しないと主張してきたのに、ここに来てなぜあいまいな表記になったのか。実際は使用する考えだったとしか理解できない。村は村民の健康、安全を考え、今からでも協定書に『一切使用しない』と明記させるべき」と述べています。

(「週刊京都民報」4月7日付より)