京都市が選定した、元植柳小学校跡地(下京区)をホテルにし、指定避難所の体育館を地下化する計画を巡り、計画に反対する住民らが6月9日、兵庫県立大大学院減災復興政策研究科長の室﨑益輝(むろさき・よしてる)さんを講師に「大災害時における避難と避難所のあり方」について学ぶ講演会を元同小で開きました。

 主催したのは、 住民らでつくる「植柳校跡地問題を考える会」。室﨑さんは避難所について、「通常、地下体育館を避難所にはしない」と述べた上で、「絶対に地下がダメだとは言わないが、元植柳小は、鴨川が氾濫した場合、浸水が想定されており、災害のシミュレーションを行って、安全性を確認する必要がある。避難所に指定するのは行政であり、安全性を確保するのは、市の責任」と強調しました。

 また、避難所には「『被災者を守り、支え、育む』役割が期待」され、「避難者が勇気を持ち、元気を取り戻す場であるべき」と指摘しました。少なくとも、地下の避難所には、収容人数に応じた階段やエレベーター、トイレの確保、そのための非常用発電や衛生面から空気清浄機をつけるなど、膨大な設備投資が求められると説明し、「そもそも薄暗い地下が避難所として適切だろうか」と述べました。