33銘柄の酒造会社が点在する伏見区。南浜の酒蔵

 北陸新幹線延伸を巡って、酒造会社でつくる伏見酒造組合(増田徳兵衛理事長)=京都市伏見区=は2017年7月に、府と京都市に対して、酒造りのライフラインである地下水への影響が出ないよう求める要望書を提出したことが分かりました。同年3月に、現在進められている延伸ルートに決まったことを受け、同組合がいち早く動いたものです。

 同組合では、同区内の酒蔵の多くが地下水を地下40~100㍍のところからくみ上げており、北陸新幹線の地下40㍍以深となる大深度地下工事とまともにぶつかることから影響が懸念されると説明。今回の計画段階環境配慮書で、ルートから「伏見酒造エリアは回避」するとなったものの、改めて地下水への影響が出ないよう意見書を出すことにしていると言います。

 同組合は戦前から、地下水を守る努力を続けており、1928年に、奈良電鉄(現在の近鉄京都線)による京都・奈良間地下鉄計画が持ち上がった際には、地下水の枯渇を理由に、政府や同電鉄に繰り返しの陳情を行い、現在の高架軌道に変更させた歴史があります。