日本共産党中京地区委員会の宣伝で訴える倉林参院議員(中央)、原田完府議(同右)、秋山弁護士(左から2人目)=8月24日、JR二条駅前

 安倍政権が消費税10%への引き上げを狙う10月を目前にしても、〝駆け込み需要〟すら起きないほどに家計消費は冷え込んでいます。「実施まで、まだ1カ月ある。10%への増税なんてとんでもない」と諦めずに怒りの声を広げ、国会に届けようと、「消費税廃止京都各界連絡会」、民主商工会、日本共産党などが各地で、消費税増税中止の署名行動、宣伝に取り組んでいます。

 中京民主商工会は、毎週火曜日の昼に、烏丸通に面する京都生協「コープ御所南店」前で、増税中止を訴える定例宣伝を続けています。8月27日は、鈴木宏介事務局長を先頭に同事務局員2人が参加。「大増税はキッパリ中止消費税5%に戻せ」と書いたのぼりを立て、10月からの消費税10%増税中止を求める署名を呼びかけました。

中京民商の定例宣伝(8月27日)

 鈴木事務局長は、そもそも消費税は、経済的に弱い者に大きな犠牲を強いる最悪の不公平税制であり、社会保障の財源に最もふさわしくないと述べ、応能負担の原則に基づき、税金は大企業や大金持ちから取るべきだと主張。「臨時国会を開いて、『消費税増税中止法案』の提出を求めよう。成立させれば10月からの増税は中止できます」と力を込めました。

 買い物の後、署名に応じた女性(79)=中京区=は、月ごとに生計費の予算を組んでやり繰りしているが、毎月5000円ほどの赤字だと嘆き、「食品はすでに値上がりしている。10%に増税なんてほんま腹が立つ」と話しました。

 「京都 消費税廃止北区各界連絡会」は8月25日、北区白梅町で署名宣伝を行い、「10月からの消費税10%増税中止は、まだ間に合います」とアピールしました。行動には15人が参加し、買い物客や観光客に、消費税の10%への増税に対して、「賛成」「反対」「よく分からない」の3択でシールを貼って意思表示を依頼。国会に提出(9月12日)する、増税中止を求める国会請願署名を呼びかけました。

 シールアンケートに「増税に賛成する人がいるのか」と足を止め、「反対」の意思表示をした女性は、「年金生活なので、いま以上に支出が増えると暮らしていけない」と署名にも応じました。

北区各界連絡会の宣伝で「反対」にシールを張る市民(8月25日)

 別の70代の女性も、「着る物は始末できても、食べる物はこれ以上減らせない。(税率)8%でも、やりくりはしんどいのに10%はかなわん」と話し、運動を激励しました。

 宣伝に参加した日本共産党の浜田良之府議は、安倍政権が10月の増税を強行する意向で、企業向けの消費税対策広告に、税金を15億円も使っていることを告発。「中小業者は、消費者への増税転嫁が困難、現場の混乱も予想される。増税中止こそ中小企業応援」と訴えました。

「増税ノー」の民意受け止めよ

 日本共産党の倉林明子参院議員は8月24日、同党中京地区委員会の宣伝でマイクを握り、「国民は10%への消費税増税を認めていません。『政府は増税をきっぱり中止せよ』の声を広げよう」と訴えました。

 倉林議員は、7月の参院選挙で市民と野党が、10月の消費税率引き上げの中止を共通政策の1つとしてたたかい、1人区32のうち10選挙区で野党統一候補が勝利したことに触れて、「増税を許さないという民意を、政府は正面から受け止めるべきだ」と指摘。他の野党とともに、臨時国会の早期開催、閉会中の委員会開催を要求し、増税中止の公約実現に奮闘する決意を表明しました。

 また、増税前の駆け込み需要さえ起こらないまでに、国民の消費が落ち込んでいることをあげ、「10%増税を強行すれば、日本経済の底が抜けます。増税中止、減税にこそ向かうべきと声をあげよう」と呼びかけました。宣伝では、日本共産党の原田完府議団長、弁護士の秋山健司さんも訴えました。