“沈黙”“分断”生む言葉に対抗 国会PV1周年つどい 上西充子法政大学教授ら報告
安倍政権の「働き方改革」をめぐる国会審議を可視化し、不誠実で非民主的な国会議論への抑止効果を狙って、法政大学の上西充子教授らが昨年、東京で始めた「国会パブリックビューイング」。京都で同様の取り組みを広げているメンバーが8月25日、京都での1周年を記念したイベントを北区の立命館大学衣笠キャンパス内で開き、40人を超える参加がありました。
「京都で国会パブリックビューイング」の代表を務める橋口昌治さん(エキタス京都)は開会あいさつで、京都では1年間に室内外での国会審議の上映をはじめ、45回の企画に取り組んだことを報告。今後もアイデアを出し合いながら活動していく抱負を語りました。
上西教授とメンバーの飯田和敏・立命館大学教授、橋口氏の3人によるトークセッションでは、愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」で、企画展「表現の不自由展・その後」が開幕3日で展示中止となった問題を切り口に、飯田教授が現地調査の報告と問題提起を行いました。
大阪市長や名古屋市長が展示中止を求めるなど、政治家の介入や、アートによる表現の自由とヘイトスピーチ(差別的言動)を混同させて、規制させる動きの危険性などを問題視したほか、「税金を使ってやる展示ではない」とする問題の立て方にも疑問があることを投げかけました。
続いて、ワークショップ形式で「実践・呪いの言葉の解きかた」について論じた上西教授は、「嫌ならやめればいい」「反日」などと言う思考の枠組を縛る言葉を〝呪いの言葉〟と称し、相手を黙らせたり、分断を誘発させる効果があると批判。それに対抗する言葉を考える力を身につけることを提案し、「アイデアを出し合い、共有していこう」と呼びかけました。