中学校給食の実現めざして亀岡市で開かれた集会

 栄養教諭「子どもの“栄養格差”作らない」

 「中学校給食の実現をめざす亀岡市民の会」は8月24日、同市の総合福祉センターで給食実施の必要性や意義を学ぶ集会を開きました。参加した保護者は、「子どもの健康と親の負担を減らすためにも、早く実現してほしい」と話していました。

 集会では、元小学校栄養教諭の和泉正美さんが講演。和泉さんは、給食が果たす教育上の効果について、教員を含んだクラス全員で楽しく食べる「共食」は人格形成にとっても大切であるとともに、食管の持ち運びや食器の配膳などを通じて社会性が身に付くことを紹介し、「教育的価値が高い」と強調しました。

 また、格差の拡大が問題視されるもと、親の経済力が子どもの健康状態に結びついていることを指摘。低所得世帯では、▽朝食を食べる子どもが少ない▽日常的に摂取する栄養に偏りがみられる▽「給食のない日」は魚や野菜の摂取が不足する─などの研究者の調査結果を示し、「経済格差が栄養格差につながっており、給食での栄養確保が求められている」と訴えました。

 また、給食の実施方式について、複数校の給食を調理・配送する「センター方式」と各校ごとで調理する「自校方式」を比較。「自校方式」のほうが、各校ごとに配置された栄養教諭が生徒の栄養状況を把握しやすいことや調理員と生徒の交流を通した教育上の効果が見込めることから「より望ましい」と述べました。

 同会事務局が同市での中学校給食をめぐる状況を報告。府内で中学校給食の実施計画・方針もないのは同市だけであると強調し、「早期に実施を求めて活動していきたい」と語りました。

 参加者からは「あらためて子どもにとっての給食の大切さを実感した」「経済的な余裕がなく、給食実施は切実な要求」などの感想が出されました。

 小学生の子ども持つ保護者は、「弁当作りは大変だし、子どもの栄養を完璧に考えて作るのは難しい。早く実施してほしいですね」と話していました。