市民のつどい

 来年1月19日告示、2月2日投票の京都市長選挙で、市政転換を目指した集会「こんな京都にしたいなぁ 市民のつどい」(同実行委員会主催)が10月16日、京都市左京区のみやこめっせで開かれました。3200人の市民が詰め掛け、まちづくり、子育て、教育、暮らし・営業など、市政をめぐるさまざま要求を訴え、「共同をさらに広げ、市民の手に市政を取りもどそう」と誓い合いました。

 集会は、市民と「民主市政の会」でつくる実行委員会が主催したもの。昨年4月の府知事選で大善戦した福山和人弁護士を支援した幅広い市民との共同が実りました。

 実行委員会を代表して市民環境研究所の石田紀郎さんがあいさつ。京都市が自衛隊へ若者の個人情報を提供したことを批判し、「自治体とはこうしたことをやるところなのか。市長とは、自治、人権とは何かを考え、市民と語り続けられる人でなければならない。『こんな京都にしたいな』という運動を、一緒に広げていこう」と訴えました。

 今回の集会にあたり、知事選挙を一緒にたたかった市民らが、選挙準備の段階から共闘を進めようと「市民のつどい」を重ね、候補者擁立やたたかい方を議論してきました。その中で、「こんな京都にしたいなぁ市民の会」(仮称)を結成。同会呼びかけ人の白坂ゆうこ、井崎敦子両氏らが、安倍政権に対抗している国政野党各党に市長選での共闘を呼びかけてきました。

 集会では、両氏が立憲民主、国民民主、社民、新社会、れいわ新選組からの返事や対応を報告しました。白坂氏は、「立民は、現市長が立候補するなら応援しない訳にいかないとの回答だった」と述べました。また、「国民とは、情報交換に終わり」、「社民からは、現市長を推薦してきた経過があり、共闘に参加したいが、自主投票になるのでは」との回答をもらったことや「れいわ新選組からは大変好意的な返事だった」と報告しました

 梶川憲・京都総評議長が、候補者擁立の状況について、「今日、候補者発表には至らなかった」と説明。「しかし、知事選以来、市民、団体、政党が力を合わせていること自体、新しい政治づくりだ。新しい市政にふさわしい候補者を何としてもの思いだ」と力を込めました。

 日本共産党の穀田恵二衆院議員、駒井高之・新社会党京都府本部副委員長が、来賓あいさつしました。穀田氏は、安倍政権の消費税10%増税や関西電力の「原発マネー」還流疑惑を告発し、「増税を進め、原発マネーにまみれて原発再稼働を進める自民党政治を許していいのか。増税ノー、原発ノーは参院選での野党の共通政策。市民と野党との共闘で、自民党政治は許さない。その声を京都で示そう」と呼びかけました。

 京都のまちや景観破壊に対して、まちを守ろうと住民運動に取り組んでいる3つの住民団体の代表が、それぞれ訴えました。世界文化遺産仁和寺の門前でのホテル計画に反対し、署名運動に取り組んでいる桐田勝子さんは「ホテルが建てば、勇壮で荘厳な門前の風景は台無しになってしまう。世界の宝、京都の宝である景観を守りたい」と訴えました。

 また、参加者が自身の要求を書き込んだメッセージカードをいっせいに掲げ、アピールしました。「市民の声を聞く市政を」、「子どもたちが輝く市政を」、「消費税5%を主張する市長を」、「暮らしの心配がない市政。平和をアピールする市長を」など、多彩な要求が並び、会場は参加者の「こんな京都にしたい」との思いでいっぱいとなりました。

 この他、市政にかかわって、さまざまな要求運動をしている市民らが、のぼりや横断横断幕を掲げて登壇。小学校のような全員制中学校給食を、脱原発、子どもの権利条約制定を、介護保険認定給付業務の委託による嘱託員の雇い止め撤回をなどとアピールしました。