歌が人をつなぐ 2019年日本のうたごえ祭典・京都 11月29日~12月2日ロームシアター京都など4会場/3つの音楽会「てをつなごう」「生きること・働くこと」「平和のバトン」
「手をつなごう~未来(あした)へ~」をテーマに、11月29日から12月1日の3日間、京都市左京区のロームシアター京都など4会場で「2019年日本のうたごえ祭典・京都」が開かれます。京都のうたごえ70周年記念でもあり、多彩な企画が予定されています。京都での開催は10年ぶり。府内からは京都うたごえ協議会のサークルのほか、個人参加を含め1000人以上が出演予定。全国からも約1000人が集います。
メーン企画は3つのテーマ別音楽会。音楽会Ⅰ「てをつなごう」は、原発のない社会、いのちの水・琵琶湖を守るがテーマ。大阪音楽大学の本山秀毅学長の指揮で、福島原発事故で被災した中学生の詩を歌にした「群青」を、小中高生を含む450人が歌い上げます。合唱組曲「海の軌跡」なども披露されます。
音楽会Ⅱ「生きること・働くこと」では、現状を伝え、ともに希望の未来を目指そうと、京都の青年のうたごえ創作チームがこの祭典に向けて作った「言ってみようや ぜいたくを」が披露されるほか、「風になりたい」「真実は沈まない」「人間の歌」などが予定されています。
憲法・沖縄・基地をテーマにした、音楽会Ⅲ「平和のバトン」では、京都で作られたオリジナル曲のメドレーや、合唱曲「大地讃頌(さんしょう)」を全日本合唱連盟名誉会長の浅井敬壹(けいいち)さんによる指揮で歌い上げます。京都朝鮮歌舞団による歌と踊り、シンガーソングライターの川口真由美さんも登場します。
2日、滋賀県大津市で行われたリハーサルでは、練習の成果とともに舞台上での立ち位置や出入りなども確認。小学生から高齢者まで117人が参加する音楽会Ⅰの舞台では、子どもたちの歌と振り付けも見どころです。また、音楽会Ⅱの青年パートでは、観客席の先輩から「もっと力を入れるところは強く、コントラストつけて」と激励の声も。
同祭典・京都企画委員長の松木郁子(ゆうこ)さんは、「3つの音楽会に分けたことで特徴が良く出て、狙い通りです。まだ仕上がりは68点くらい。最後の追い込みで歌に魂を入れたい」と意気込みます。
このほか、全国の仲間らによる合唱発表会(29日、12月1日)、全国うたごえ喫茶大交流会(チケット完売)、パフォーマンス広場(ロームスクエア、無料)での交流なども行われます。
うたごえ祭典に向けた実行委員会は、昨年9月に立ち上がり、テーマを決め、選曲や歌い手の募集、パートに分かれた練習など、準備を進めてきました。同祭典運営委員長の三觜(みつはし)昭さん(ひまわり合唱団団長)は「歌うことで気持ちがひとつになる歌の力を感じています。どんなに雄弁な講演よりも感情を引き出し、人をつなぐ力が生まれる。とくに若い人たちに聞いていただきたい」と語っています。
3テーマの音楽会は、30日の11時(Ⅰ)、15時(Ⅱ)、19時(Ⅲ)。参加費はS席3000円、A席2500円、小中生・障がい者・介助者1500円。パフォーマンス広場は無料。問い合わせTEL・FAX075・811・7851(京都うたごえ協議会)。