米軍事故報告は「当分の間」!? 約束違反“正当化”で詭弁 倉林・井上氏聞き取りに防衛省回答
京丹後市の米軍人・軍属による交通事故について、防衛省が米側の加害・被害を問わず事故概要を報告するという当初の約束に反して、重大事故を除いて「件数のみ報告する」と方針変更した問題で、概要報告を行うのは「当分の間」であったとして約束違反を「正当化」する主張をしていたことがこのほど、分かりました。日本共産党の倉林明子、井上哲士両参院議員の聞き取りに対し、回答したもの。
「説明」主張も議事録になし
倉林、井上両氏は、10月28日に聞き取りを実施。両氏が方針変更は約束違反ではないかと見解をただしたのに対し、同省は2014年12月の第2回「安全・安心対策連絡会」(以下、安安連)で、同省・近畿中部防衛局管理部長が口頭で、「交通事故等の概要を当分の間、できるだけお知らせしたい」と説明していたと主張しました。
これまで、方針変更の理由について、同省は、米軍の申し出にもとづき、他の在日米軍基地の事例などを踏まえて検討したなどと説明してきましたが、「当分の間」という点は一切説明されてきませんでした。また、公表されている第2回安安連の議事要旨にも「当分の間」という口頭説明は記載されていません。
本紙の取材に対し、同省は、「議事録には残っていないが、発言原稿が残っていた」と説明しています。
府、京丹後市は、口頭説明での「当分の間」という点について、認識しているとした上で、「現在も事故が発生している状況であり、『当分の間』はいつまでかを議論する段階ではない」(府総務調整課)、「『当分の間』が終わったという説明は防衛省から受けていない」(同市基地対策室)としています。
日本共産党の田中邦生同市議団長は、「今さら、『当分の間』だったというのは、米軍の都合を優先させるための詭弁であり、到底許されない。そもそも事故の未然防止のために『徹底する』とされていた米軍関係者への交通安全講習を、全員が受講しているのかどうかという問題もあらためて問われなければいけない」と話しています。