敬老乗車証

 京都市が、現行の「応能負担」から「応益負担」への改悪を目指す敬老乗車証制度をめぐり、「敬老乗車証守ろう! 連絡会」がこのほど、制度の効果を明らかにするためのアンケート調査に取り組み、その結果を分析したところ、経済効果は年間507億円にも及ぶことが分かりました。「会」では「敬老パスが市民の宝であることが改めて立証された。現行制度を守り、充実めざして署名運動を強化しよう」と呼びかけています。

 「会」が1日、市内で開いた報告集会で中間報告として明らかにしました。「会」がアンケートを取り組むのは、2回目。今回は、▽対象年齢の70歳以上から利用回数などを聞くことで、経済効果を明らかにする▽69歳以下からは、制度改悪の是非を聞く―ことを目的としました。「会」に参加する団体と日本共産党市議団が、10月末までに回答を得たもので、分析した数は、70歳以上で1124人分、69歳以下で496人分です(1日現在)。

 経済効果は、名古屋市が2013年に行ったアンケート調査で使った算出方法に基づき試算。それによると、アンケートへの回答で得られた、乗車証を利用して1回外出した時の1人当たり平均消費額(3260円)、1人当たりの週平均利用回数(4・3回)などを基に算出。乗車証利用者14万5000人(2016年10月末)の年間経済効果は、507億円になると試算しました。

 69歳以下へのアンケートでは、制度についてどう思うかと問いに、88・5%が「良い制度だと思う」とし、その理由の1位、73・8%が「高齢者が生き生きと出かけられる」と回答。市が検討している利用者負担の考え方の変更については、回答数の1位が「いまの負担方法でよい」(43・1%)とし、次いで「(現行の)一部負担金は廃止して無料にする」が27・8%を占める結果となりました。

 集会で、報告した宮内尚志事務局長は「敬老乗車証が大きな経済効果をもたらすだけでなく、全ての世代の宝となっていることが明らかになった」と強調しました。

 長田豊会長は、市の改悪方針発表から6年間で、市に改悪方針撤回を求めて提出した署名総数は約4万4000人分となることを挙げ、「市長選の告示日(来年1月19日)までには、総数で5万人分の署名を市に提出し、改悪を阻止しよう」と呼びかけました。

 日本共産党の西野佐知子、玉本なるみ、樋口英明、河合葉子、山本陽子の各市議が参加。河合議員が代表してあいさつし、「議員団には、次々と回答がファクスで送られ、制度を守ってほしいとの期待の大きさを痛感している。改悪阻止へ一緒に頑張ろう」と激励しました。