2016年1月に開催された、門川氏の政治資金パーティーで参加者に配られたお茶と同氏の公約

京セラ、任天堂、オムロン、村田機械など17社の内部留保総額は8兆円超

 門川大作京都市長のの資金管理団体「未来京都の会」が前回市長選時の2016年に開いた政治資金パーティーで、市内の大手17社が総額730万円ものパーティー券を購入してたことが分かりました。これら購入した大手企業の内部留保額は合わせて8兆円以上。識者は「実質的な企業献金であり、政治資金規正法違反の疑いがある」と指摘します。

 政治資金収支報告書によると、前回市長選直前の同年1月16日にパーティーを開催し、収入は1002万円。開催事業費は80万3199円で、収益率は約92%にのぼります。

 パーティー券を購入(20万円以上)したのは、京都市内に本社を持つ京セラ、任天堂、オムロン、村田機械、堀場製作所、ローム、日本電産、ワコール、島津製作所、宝ホールディングス、screenホールディングス、京都銀行、京都中央信用金庫、トーセ、月桂冠、フクナガと、長岡京市の村田製作所の17社。2018年度の有価証券報告書で、これらの大手企業の内部留保(資本剰余金と利益剰余金の合計)は8兆8360億円にのぼっています。

 パーティーでは、会費1万円にも関わらず提供されたのは1本100円以下の紙パックのお茶のみ。参加人数は1002人と報告されていますが、設定された座席数は500席もない、空席が目立ちました。

 (*)総務省は、政治資金パーティーで、パーティー券の代金が「社会通念上の価値を超えるものである場合、当該超える部分は寄附として取り扱われる」との見解を示しています。

 政治資金問題に詳しい上脇博之・神戸学院大学法学部教授は、「総務省の見解を踏まえれば、政治資金パーティーで、企業が大勢の人数分のパーティー券を購入しながら、参加者が少人数の場合には、不参加者分は明らかに寄付であり、事実上の企業献金となります。企業献金は政党の本部や支部にしか行えないので、政治資金規正法違反の違法な企業献金になります。また、大企業にパーティー券を大量購入してもらえば、癒着の構造ができ、市長の政治姿勢が“カネの力”で大企業向けに誘導されることになる」と指摘しています。

【追記】本記事の以降を訂正しました(2020年1月17日午後3時48分)