計画地(手前)の下流に広がる住宅地(左上から右上にかけて)

 八幡市男山での大阪の事業者による太陽光発電施設計画をめぐり、八幡市が、先月の同市議会3月定例会都市環境常任委員会で、「今年2月、事業者に計画地の土地買収に向けての金額を示し、現在返事待ち」と答弁したことを受けて、住民団体「男山の太陽光発電建設反対実行委員会」(共同代表・石野喜幸、竹村正輝)は4月6日、堀口文昭市長宛てで、計画地を買収することになった理由や経緯の説明、防災工事や事業者の責任の明確化などを求める要望書を提出しました。

 要望書では、市長は2015年に「(計画地の前所有者の関係業者から)施設設置の相談を受けたが、法的に止める手立てがない」との職員の報告を受け、危機感を持ち、対応すべきだったにも関わらず放置した結果、事態の悪化を招いたと指摘。「なぜ本来買い取る必要のなかった土地を公金で買い取ることになったのか」と市長の対応について質問。

 事業者の法外な要求を受けて土地買収に応じることは、事業者の損失を公金で補てんする結果になりかねないとし、金額を提示した法的根拠や予算項目・予算額の説明を求めています。

 土地買収の前に、違法に造成された作業道路と里道の原状回復や、伐採地の原状回復の責任の明確化についても求めています。

 また、計画地の下流は13年9月の台風18号の際、浸水被害が発生するなど、たびたび浸水・冠水被害にみまわれる地域で、計画地周辺が砂防区域や土砂災害(特別)警戒区域に指定されていることを踏まえ、土砂を含んだ雨水が下流に流れ、被害をもたらす危険について指摘。災害が起こった場合、誰が責任をとるのか問うとともに、雨期を前にして、緊急の現地調査と、防災措置の実施を求めています。