新型コロナウイルス感染症拡大の影響で公立学校の休校が延長され、子どもたちに給食の提供が長期間なされていない問題で、教育関係者や保護者らでつくる団体「緊急時の子どもたちへの昼食提供を求める会」が5月11日、京都市長に対して、休校中の子どもたちの昼食を公的に保障する手立てを早急に行うよう申し入れました。

 同会は、子どもの健康と成長を保障する上で、学校給食の果たす役割の重要性を強調し、休校中の子どもたちに昼食の保障を求めるファクスでの要請行動を4月末に呼びかけ、同時にオンラインでの賛同キャンペーン(写真下記)に取り組みました。

 この日は、同会の呼びかけ人(8人)のうち5人が京都市役所に出向き、京都市長公室、市教育員会、子ども若者はぐくみ局に、1週間で寄せられた466人分の署名を添えて要請文を手渡しました。 

 元栄養教諭の金井多恵子さんは、そうめんで食いつなぐ家庭、子どもの食事を優先させ体重が4㌔も減った親の例など、コロナ禍の影響が直撃する生活困窮世帯の実態にふれ、「特例預り」の児童に昼食を提供したり、支援が必要な家庭への食材支援、弁当と交換できる昼食券を配布している地域があることを紹介。「子どもの食の救済に動いてほしい」と訴えました。

 本田久美子さんは、国連子どもの権利委員会も各国政府に対し、「子どもの最善の利益」という原則から、子どもたちに栄養のある食事の提供がされるよう求めていることをあげ、「こんな時(コロナ禍)だからこそ、子どもたちへの昼食を保障する手立てを」と強調しました。

 市教委の担当者は、夏や冬の長期休業には基本的に給食がないとして、「家庭で栄養バランスのとれた食事を用意していただきたい」と返答。「特例預り」を利用する児童への昼食提供については、感染予防の観点と一部の子どもへの提供になるとの理由で、考えがない意向を示しました。