戦後75年「負の歴史直視を」 中国人強制連行写真展 10日から下京区・ひとまち交流館京都
戦後75年を迎えるにあたり、戦時中、日本政府の主導で行われた中国人強制連行について多くの人に知ってもらおうと、写真展「甦(よみがえ)れ歴史の記憶」が7月10日から14日まで、京都市下京区のひとまち交流館京都で開かれます。主催は「中国人戦争被害者の要求を支える京都の会」。
徴兵による国内労働力不足を解消するため、日本政府は1942年、中国人労働力国内に移入する施策「華人労務者内地移入を閣議決定。官制の徴発組織「華北労工協会」を使って中国人労働者約4万人を集めました。
中国人労働者は、日本国内の鉱山、発電所、港湾などでまともな食事を与えられず、不衛生な環境で過酷な労働をさせられ約6000人が死亡しました。
京都では与謝野町の大江山ニッケル鉱山で200人の中国人が強制連行されました。6人の元労働者が、鉱山を経営する日本冶金工業を訴え、1人350万円の賠償金をともなう和解を勝ち取ったほか、他の元労働者も中国での裁判を模索しています。
写真展では、▽日清・日露戦争、15年戦争と戦争に明け暮れた1945年以前の75年と日本国憲法の下での戦後75年との比較▽京都・大江山ニッケル鉱山での強制連行の実態と裁判闘争▽全国の裁判闘争▽被害者の尊厳と名誉回復など問題解決の道筋―について約100枚の写真で紹介しています。
同会事務局長の桐畑米蔵さんは「強制連行は日本政府の責任によって行われた。日本政府は被害者が生存している間に、一刻も早く、問題を解決すべき。負の歴史を知り、問題解決向け行動することは日本人の責務でもある」と語っています。