京都市は根拠なく「大丈夫」

 違法造成された山頂の土砂が、2年前の西日本豪雨で崩れ住宅地まで迫った大岩山(京都市伏見区小栗栖)で、今月7日から8日にかけての大雨で、山頂近くの斜面が崩落していることが10日、分かりました。現場は、現在「是正」工事が行われている最中。現地調査した日本共産党の西野佐知子市議は、「早急な安全対策と住民が求めている土砂の全面撤去を行うべき」と市に求めました。

 今回の崩落は、住民の本紙への連絡で分かったもの。その後、西野議員が調査し、市に説明を求めました。市によると、7日から8日の大雨で、8日には幅10㍍にわたり斜面が下に約5㍍崩落したというもの。この状況について、担当課は、何の根拠も示さずに「大丈夫」「工事は信用できる業者がやっているので問題ない」と述べました。

 現場は、「マハリシ・グローバル・トレーディング・ワールド・ピース」(栃木県)が管理する土地。違法造成で持ち込まれた大量の土砂について、地元自治会など住民は、業者による土砂の全面撤去を求めてきました。ところが、市は業者の違法を容認。認めた「是正」工事は、違法に持ち込まれた土砂の一部を山頂近くの谷筋に埋め立てる計画で、今年3月から始まっています。

 西野市議は「『大丈夫』と言うが、安全は担保されていない。緊急の安全対策と合わせ、住民が求めている土砂の全面撤去に踏み切るべきだ」と市に求めました。

住民が撮影した山頂の様子。斜面が大きくえぐられている