岩戸山町の初の地蔵盆を楽しむ参加者(8月23日)

 新型コロナの影響で、祇園祭が縮小され、どことなくもの寂しさを残して京の夏が過ぎました。例年なら鉾を建て活気づく鉾町で、祇園祭に代わるイベントを企画し、地域を元気づけようと、新規参入のホステル「WeBase(ウィベース) 京都」が新たなコミュニティーづくりに挑戦しています。

 同ホステルは、鉾町のひとつ岩戸山町(下京区)に2018年にオープン。世界の旅行者と日本各地の人々と文化をつなぐコミュニティーをコンセプトにした宿泊施設で、町内の行事にも積極的に参加しています。

 コロナ禍で気の晴れない町内のムードを察した総支配人の蓑部亜季子さんの発案で、8月には岩戸山町で初の「地蔵盆」を同ホステルで開催。今月26日には、

岩戸山秋の賑わいフェスを企画し、祇園祭の期間、岩戸山で披露する予定だった子どもたちの舞の発表など予定しています。

 8月の地蔵盆は、お地蔵さんを壬生寺から貸し出し制度で用意。浴衣姿の子どもや留学生ら約20人が参加して、読経や数珠回しをはじめ、スイカ割りも楽しみました。

 町内会長で岩戸山保存会の高橋信昭代表は、「ホステルが、保存会や町内会と力合わせて、活性化に貢献してくれることはうれしい。続けていければ」と話しています。

 宿泊業もコロナ禍の影響を受けていますが、蓑部さんは、場を提供し、地域、異業種とも連携して、一緒に新しい企画を考えてきました。コロナの影響でこれまで通りのことができない分、新しい人とのつながりやアイデアも生まれるとし、「地域とすべての業種が力を合わせて乗り切ろうという試みの一つ」と張り切っています。

「童舞」を披露 26日に岩戸山フェス

 岩戸山秋の賑わいフェスは9月26日(土)午後5時、「WeBase 京都」ラウンジで開催。岩戸山に因(ちな)んだ神話をもとに、天岩戸(あまのいわと)の神楽(かみあそび)を舞と歌、篠笛で表現した「童舞(わらべまい)」を子どもたちが披露します。演劇、森田玲氏による篠笛の演奏を予定。公益財団法人岩戸山保存会、劇団衛星が協力。参加は要予約。YouTubeで映像配信します。

 「WeBase 京都」☎075・353・7555。