計画案で給食センター建設予定地として示された候補地の1つ、中部住民センター西側の用地
浸水の深さを示す中部住民センターの表示プレート

6日まで市民意見募集

 京田辺市が公表した「中学校給食基本計画(案)」(6日まで市民意見募集)をめぐり、実施方式がセンター方式となっていることや建設候補地が洪水浸水想定区域であることについて、市民から疑問や不安の声が上がっています。

 給食センターの予定地は、同市の洪水ハザードマップで木津川氾濫時に4・4メートルの浸水の恐れがあるとする中部住民センター西隣の市有地(3300平方メートル)をあげています。

 小中学生2人の子どもを育てる母親は、「全国各地で想定外の自然災害が起きているのになぜ、浸水想定区域に建設するのか。なぜ、そのことが(基本計画案に)記載もされていないのか」と困惑します。

 給食実施の運動に取り組んできた女性は、「浸水するような給食センターでは、災害時などで炊き出しの拠点にもならない。防災を含め、まちづくりに役立つものにしてほしい」と言います。

ハザードマップで1、2階まで浸水する「2~5㍍」の区域に色付けされている候補地

 自校・親子方式はどこへ?

 また、給食センター方式での実施についても疑念が生じています。昨年の市長選挙で、前市長の後継候補がセンター方式を公約したのに対し、上村崇市長は、自校か親子方式で実施する意向を示していました。前出の母親は、「上村さんなら期待できると思ったのに」と計画(案)に驚き、子どもは、「小学校みたいな給食」を望んでいると言います。

 京田辺市では、2010年(約3000人分)、15年(約2700人分)と2回、署名運動が取り組まれ、教育長の諮問を受けた「中学校昼食等検討委員会」が「学校給食を導入することが望ましい」と答申しました(18年)。

 同検討委員会に、市民公募委員として参加した新婦人京田辺支部の塩貝友規子さんは、答申に実施方式は明記されなかったものの、「自校方式が望ましい」との意見が出されていたと話し、「その後の行政内の検討内容は公開されず、検討過程が不透明だ」と話しています。

 日本共産党の青木綱次郎議員は9月7日の市議会一般質問でこの問題を取り上げ、○浸水想定区域にセンターを建設することを了承した教育委員会の議事録の公開○浸水対策○計画(案)に対策の見解が示されていない─などの問題を指摘しました。

 教育委員会の担当者は、浸水想定区域であることは、ハザードマップで市民に周知されているとし、木津川堤防の補強工事や河川改修も進んでいると答弁。議事録は作成中とし、開示日程は明確に答えませんでした。