美山診療所の医療水準維持を求める署名を呼びかける「守る会」のメンバー

 常勤医の高齢化に伴う医師確保が課題となっていた南丹市美山町の美山診療所(公設民営)をめぐり、地元住民でつくる「美山の医療を守る会」は、現在の医療水準を維持するよう西村良平市長に求める署名活動に取り組んでいます。

 同診療所は常勤医の退任の意向に伴い後継の医師確保が課題となっていました。西村市長は、診療所を来年4月以降に直営化し、医師確保を目指すとしています。

 しかし、直営化に伴ない、医師体制は現在の2人から1人となる見込みであるとともに、入院用のベッドは休止する方針を示しています。併設する老人保健施設については、新たに委託先を探していますが、現状では受け入れ先が見つかっておらず存続が困難な状況となっています。また、職員についても、現在の職員を活用せず新たに採用する方針を示しています。

 このため同会は、▽現在の機能の維持(医師2人体制、入院・老健、無料送迎)▽現在の職員の雇用維持—などを求めています。

 署名に応じた古谷婦美枝さん(85)は「車の免許を来年に返納する予定で、無料送迎と入院ベッド、老健も今のまま残してほしい」と話していました。

                ◇

 「美山の医療を守る会」は11月8日(日)午後2時から、南丹市美山町の美山文化ホールで「美山の医療を守る住民集会」を開催します。美山の地域医療を考える講演のほか、診療所の利用者らの発言などを予定しています。