府の施策とも矛盾、計画見直しを

 北陸新幹線延伸による自然・住環境への影響について考える市民集会が11月21日、京都市中京区のハートピア京都で開かれ、建設見直しを求める意見が相次ぎました。環境問題に取り組む市民有志が主催したもの。

 南丹市美山町の「知井の新幹線問題を考える有志の会」の長野宇規(たかのり)代表が、延伸工事による美山町への影響などについて報告しました。

 敦賀―新大阪ルート計画の概要や、環境影響評価のあり方、美山町、京都市内での影響などについて解説。各自治体で巨額の財政負担が必要なことや、トンネル工事による大量の土砂置き場やトラックの運行の問題、河川や地下水への水質への影響、騒音・振動など問題点をあげました。

 長野氏が区長を務める、美山町田歌(とうた)区が府と南丹市に提出した公開質問状の中身を示しながら、「二酸化炭素削減推進や美山へのIターン、Uターン施策にも逆行し、費用便益の面でも別ルートの方が、効果が高いなど矛盾や問題点が多い。府や鉄道運輸機構は情報を明らかにすべき」と述べました。

 市民環境研究所の石田紀郎理事長があいさつし、「京都市内では北陸新幹線延伸の問題が知られていない。多くの問題点があり、各地で中身を知ってもらう学習会などを開いていこう」と呼びかけました。

 「北山の自然と文化を守る会」の榊原義道さんが京都市内での工事について解説し、大量の掘削土砂や地下トンネル工事、費用負担などの問題点を指摘しました。

 参加者からは、「京北から参加したが、機構の説明会では納得できない。見直すべき」「地下水にどんな悪影響が起こるのか不安。こんな計画には反対」などの意見が出されました。