建設分野の「特命」任命、逮捕後も擁護発言

 宇治田原町の町立保育所増設工事をめぐり、町の元理事の光嶋隆氏が官製談合防止法違反と加重収賄の容疑で逮捕・起訴され、昨年末、懲戒免職処分となりました。町長が、光嶋氏を福祉分野の部署に異動後も「特命担当」として建設事業の交渉役をさせたり、事件発覚後も光嶋氏を擁護する発言を繰り返していることに、町民から批判の声があがっています。

 町の説明によると「特命担当」の名称は「広域道路事業・新市街地整備特命担当」。新名神、府道山手線、現在の新庁舎が建つ新市街地の整備の事業で、NEXCО西日本や京都府などと地元との調整に当たる役で、光嶋氏が理事兼建設・環境課建設課長から健康福祉部長に代わった2016年4月から4年間、町長に特別任命されたもの。特命担当を終え、教育部長就任後も、建設事業について町長の特命で任にあたったこともあったといいます。

 また、光嶋氏逮捕後の記者会見で町長は、「行政手腕は大変すぐれた人物」「管理職として職員からの信頼も厚かった」などと擁護する発言に終始していました。

 同町で育った男性は「建設関係の部署でもないのに、光嶋氏が業者を庁舎内に呼んで交渉しているという話を聞き、驚いたことがある。いつか逮捕されると思っていた。なぜ町長は光嶋氏が建設の担当部署を離れる際に、業務を引き継がせなかったのか」と語ります。

 正月、実家に帰省してきた30代の男性は、町の不祥事に驚いた様子で、「町長が逮捕された人物を擁護するのはどうかしている。なぜこんなことが起こったのか明らかにしてほしい」と顔をくもらせます。

業者との関係を以前から問題視

 「(光嶋氏を)優れた人物だったというのはおかしい」と言うのは、光嶋氏の父をよく知る70代の男性。「任せきりにしていた町長も問題だったのでは」とポツリ。

 光嶋氏を子どもの頃から知っているという50代の男性も「庁舎の移転の際など、以前から光嶋氏と業者との関係を問題にする声はあったが表に出てこなかった。町長の任命責任、監督責任は免れない。近く町長選挙があるが、対立候補を立てて町を変えてほしい」と語ります。