京都社会福祉会館跡地売却 2千万円の寄付「選定委員も知り得た」 「申込書」に記載、「今後も寄付」のコメントも
共産党「公正性疑われる。決定の取り消しを」
京都市上京区の京都社会福祉会館跡地活用で、市が売却先に選定した東京都内の不動産会社・オープンハウスと同社社長が、選定前に市に計2000万円を寄付した問題で、応募の際の「申込書」に寄付の事実や「今後も寄付をしたい」とのコメントが書き込まれ、選定委員がこうした事実を知っていたことが新たに分かりました。市議会総務消防委員会(3月19日)での、市側の答弁で判明したもの。選定の公正性が一層問われる事態に、日本共産党は選定結果を取り消すよう求めました。
質問は、日本共産党の加藤あい、井坂博文両議員と自民党の2議員が行いました。共産党は「寄付が選定に影響した可能性は否定できない」とし、自民党は「何の問題もない」との立場で取り上げました。
市理事者は4議員への答弁で、寄付の事実について、▽オ社が申込書にそのことを書いており、選定委員も知り得た▽申込書にはさらに、オ社が「今後も文化芸術のために寄付をしていきたい」と書いていた―ことを明らかにしました。その上で「寄付行為は審査項目に入っておらず、募集要項に定められた審査項目と基準で審査されたもの。公正性に反するとの指摘は当たらない」「寄付はむしろ高く評価すべき」などとし、開き直りの答弁に終始しました。
加藤、井坂両議員は、市の答弁を批判し、「選定の公正性はやはり疑わしくなっている。選定結果を取り消して、市民の意見を聞いて仕切り直すべき」と述べました。