コロナ禍だからこそ看護の原点に 春のナースウェーブ 医療逼迫の実態告発も
コロナ禍での看護のあり方を考えようと「2021春のナースウエーブ」が5月15日、オンラインなどで開かれ、約150人が参加しました。コロナ禍での看護実態の告発や東京五輪への看護師派遣問題、看護をめぐる講演などが行われました。主催は、京都医療労働組合連合会など5団体が集まり、看護師増員の一点で運動を進める「ひろがれ看護のこころ Kyoto」。
軍事費増額で社会保障削る
日本赤十字看護大学名誉教授の川嶋みどりさんが「コロナ禍だからこそ看護の原点」と題して講演。川嶋さんは、自身の看護実践の経験と看護の置かれてきた環境を解説したうえで、コロナ禍での看護実態について、「達成感も見えず、心無い差別が家族にまで及び、疲労困憊や退職する看護師がたくさんいる。いまこそ看護の原点を考えよう」と問題提起。患者中心よりも診療報酬ファーストの施策に巻き込まれ、複雑・過密化した看護実態や、学術会議の任命拒否問題のように言論統制が行われていることは「戦争前夜の兆候」と指摘しながら、「現政権の違法な軍備増強のしわ寄せが社会保障費削減に及んでいることは見過ごしてはなりません。看護の原点に立ち、勇気を持って発言する責務がある」と述べました。
コロナ病棟で働く看護師らから、コロナ禍のもとで深刻な労働実態などの発言がありました。京都医労連の勝野由起恵委員長が、ツイッターデモや署名への行動を呼びかけました。