街頭宣伝で訴える、京建労・平山委員長(5月19日、京都市中京区)

 すべてのアスベスト被害者の救済をめざそう―全京都建築労働組合は5月19日、京都市役所前(京都市中京区)で宣伝し、建設アスベスト訴訟で国とアスベスト建材メーカーの賠償責任を認めた最高裁判決(同17日)に関わる報告とともに、被害者救済と被害根絶に向けて運動を呼びかけました。

菅首相が原告に謝罪、「合意書」締結

 菅義偉首相は同判決の確定を受けて翌18日、京都・大阪・東京・神奈川1陣原告の代表らに直接、謝罪。国は、原告との和解や未提訴被害者の補償などを盛り込んだ合意書を締結しました。

 最高裁判決を東京で見守った京建労の平山幸雄委員長は、京都1陣訴訟の原告らもほぼ、一人親方を含めて国と企業の責任が認められたものの、屋外作業に従事した屋根工が救済対象から外されたことに怒りをにじませ、「改めて(全員救済に向けた)運動を強めたい」と強調しました。

 アスベスト被害者の救済制度として求めている補償基金制度の創設にふれて、国と建材製造企業が出資する仕組みの必要性を指摘した平山氏は、「いまだ企業には社会的責任を果たす姿勢がない」と批判。アスベストが原因で亡くなった仲間や、今後も続く被害者の救済のためにたたかった原告の思いを継いで運動を続ける決意を表明し、「企業に責任を果たさせるには皆さんの力が必要です」と世論による支援を呼びかけました。

建築労働者が命がけで勝ち取った判決

 宣伝には、京都総評傘下の労働組合からも多数参加。京都総評の梶川憲議長は、最高裁判決の勝利は、建築労働者が命がけで勝ち取った成果だと述べ、「政治の責任で被害者を救済する大事な局面に入りました。命と健康を守るため、労働組合も一緒に力を合わせていく」と訴えました。