「戦前の悪法よみがえらせる」「違法な情報収集にお墨付き」 自由法曹団京都支部が土地利用規制法案廃案訴え、大久保駐屯地前で街頭宣伝
自衛隊、米軍基地や原発、国境離島周辺の住民を監視する土地利用規制法案が参院内閣委員会で審議されるなか、自由法曹団京都支部は6月9日、宇治市の自衛隊大久保駐屯地横の近鉄大久保駅前で、法案の内容を解説したビラを配布しながら阻止を呼びかける街頭宣伝を行いました。
同支部のメンバーは、同法案は、自衛隊や米軍の基地などの「重要施設」の周囲おおむね1㌔区域内を「注視区域」に指定し、土地・建物の利用状況を調査するとしていますが、提供の対象となる情報は政令で追加でき、思想・信条なども調査されるおそれがあり、プライバシーが侵害されると指摘。
自衛隊の情報保全隊が市民活動を監視していることは明らかになっているが、「国家権力による違法な情報収集にお墨付きを与えるものだ」と訴えました。
さらに、戦前は、国防を理由に、要塞地帯法で「要塞地帯」と指定された区域の立ち入りや、撮影、スケッチなどは禁止されていたとして、「映画『この世界の片隅に』の主人公すずが、呉の軍港でスケッチをしていると憲兵にスパイ行為とみなされるシーンがありますが、このような戦前の悪法を現代によみがえらせるもの」と解説し、廃案を訴えました。
宣伝を聞いていた若者は、「勝手に調べるのは良くない」。大久保駐屯地近くに住む20歳の女性は「法案のことは全然知らなかった。国民がよく知らない間に国会を通そうとしているのは怖い」と話していました。